2015年11月10日 (火)

大きな歴史の舞台は小さな古都レーゲンスブルクから

先日、「ライン・モーゼル・ドナウ河畔の町々と世界遺産レーゲンスブルクを訪れる 11日間」のツアーより帰国致しました。

ツアータイトル通り、クルーズ船でドイツ国内を流れる3つの河下り(上り)を楽しみ、さらに河沿いを移動しつつ、最後はドナウ河畔の古都レーゲンスブルクへ訪れる楽しいコースです。

このコースのいいところは、何よりも景色が素晴らしいということでしょうか。
そしてワイン。
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特にモーゼル川とライン河は両岸の傾斜が深い為、太陽の光が隅々まで届き、結果としてブドウが育つ土壌となったのだそうです。
畑ごとに主に白ワインになるブドウが作られ、今も様々な銘柄のワインが、街ごとに売られています。

試飲が気軽にできるのもうれしいです。リューデスハイムでは、この時期にしかないジュースの様なブドウの香り豊かなフレッシュワインという、1週間くらいしか店頭に出ないワインがあり、ちょっと得した?気分になりました。
この近辺でのワイン作りの歴史は古く、古代ローマ時代からだそうです。
領土拡張の為の都市建設の際に、川は重い物資を大量に輸送する重要な行路でした。

レーゲンスブルクはドナウ河に隣接する街で、特に塩の商取引で栄えたのだそうです。
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街の中心地には2世紀頃の古代ローマ時代の門が残り、町の中心の大聖堂のすぐそばにはナポレオンが居住した宮殿跡が残り、少し歩けば神聖ローマ帝国議会場跡や皇帝が滞在したホテルがあります。
ドナウ河に出ると12世紀に十字軍も歩いた石橋や、中世には巨大な富が詰まっていた塩の倉庫があり、更に街の中には17世紀の建物に12世紀の頃の扉がついていたり、バルコニー部分だけ15世紀の造りだったりする家や、壁一面に新約聖書の一部が描かれた斬新なアパルトマンを見つけたり、とにかく歩いているだけでいろんな時代に出会える楽しい街です。
さて、そんな街中にはいくつかの銅像が立っていますが、その一つにドン・フアン象があります。

ヨーロッパに「日の没することなき帝国」を作り上げたカール5世(スペイン国王カルロス1世)が、帝国議会が開催されるときにレーゲンスブルクの可愛らしい町娘に出会い、一夜を共にして生まれたのがドン・フアン(正式名称はドン・フアン・デ・アウストリア)だったそうです。

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スペインでフェリペ2世に弟として軍人として、世界史の教科書にも載っているレパントの海戦でオスマントルコを破ったことで有名ですが、実は、とっっっ ても!女たらしだった…という伝承が残っています。

まぁ…31歳の若さで亡くなられたし、私生児とはいえ皇帝の息子ですから、きっと街の娘たちの憧れだったんだと思います。

そうそう、こんなことがありました。

レーゲンスブルクで私達が夕食後にレストランからホテルへ戻るとき、ゆっくり歩いていたのですが、大聖堂へ差し掛かった時に大勢の若者(たぶん)がいました。
何かのイベントかと思い、話しかけると!ナント、とってもハンサム(by 一部のお客様のご意見による)がにっこりと「今から気の合う仲間で飲みに行くのさ、大聖堂はいつもの待ち合わせ場所さ」と、答えてくれました。

一緒に行く?とはもちろん言われませんでしたけど、ハンサム氏の笑顔にお客様のテンションも一気に上がり、楽しい帰り道となりました。
きっとドン・フアンもこんな感じで街娘をキャーキャー言わせたのではないかなぁ、などと思いました。
レーゲンスブルクの街中の細い路地をプラプラ歩いていると、曲がり角から悪戯っぽい笑みを浮かべたドン・フアンが現れそうな、不思議な錯覚にとらわれます。(齋藤晃)

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