デベソで万歳! 奥トスカーナの古寺巡礼
先日、「奥トスカーナ・カゼンティーノ地方 中部イタリア・ロマネスク」ツアーの添乗より帰国致しました。カゼンティーノ地方とはイタリア、トスカーナ州の北東部で、ダンテも愛した風光明媚な土地です。ツアーの主目的はこのカゼンティーノ地方、トスカーナ州、さらに近隣のモデナ、ヴェローナのロマネスク教会巡りです。
ハイライトはイタリアの“最も美しい村”に登録されているロロ・チュッフェンナ近郊、グロッピーナにあるサン・ピエトロ教区教会。ここの説教壇には非常に特徴的な彫刻があります。宇宙人にも見える、ユーモラスな生き物はなんと12使徒。確かに数えれば12人います。両手を高くあげるエトルリア人(イタリアの先住民)風の祈りのポーズ、あるいは教会を支えているようにも見えます。中には隣の使徒と腕を絡ませしっかり団結しているものも。はっきり描かれたおへそで、下にある抽象化された三位一体からエネルギー吸収し、大きな瞳と頭は世界の真実を見抜き、思索するためのものだそうです。
このようなかわいらしい彫刻に加えて、ルネッサンス起こりの地フィレンツェを含むこのツアーでは、優れたルネサンス絵画も鑑賞しました。ヴェローナのサン・ゼノ教会ではマンテーニャの祭壇画、マッサ・マリッティマではアンブロージョ・ロレンツェッティによるマエスタ、プラートの大聖堂ではフィリッポ・リッピによる祭壇画。洗礼者ヨハネの生涯に描かれるサロメのモデルはリッピが愛したルクレティア。
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