「ラオスにいったい何があるというんですか?」その答えは…
先日、「ラオスハイライト9日間」のツアーより帰国致しました。
皆様がラオスと聞いて思い浮かべるものは何でしょうか。昨年、村上春樹さんが自身の旅行記をまとめた、『ラオスにいったい何があるというんですか?』という著書を発表されましたが、確かに何があるんだろう…と思った方も少なくないと思います。
ラオスは東南アジアの国の1つ。東南アジアと言えば、リゾート地として発展してきたインドネシアや、古い遺跡が残るカンボジア、発展著しいベトナムなどが思い浮かびますが、ラオスはそのどれとも異なる、静かで仏教寺院の多く点在する国。僧侶たちが早朝行う托鉢はラオスを特徴づける1つの要素であり、村上春樹さんも是非体験してほしいと書かれています。
では、ラオスは仏教信仰の盛んなだけの国かというと、決してそうではありません。国土の大半を山地が占め、大河・メコン川をはじめとする川が悠々と流れる、自然にあふれる国でもあるのです。そして、私が今回のツアーで特に魅力を感じたのは、町の真ん中をナムソン川という川が流れるバンビエンです。
バンビエンは周りを石灰岩の山で囲まれた町で、中国に「桂林」と呼ばれる石灰岩の岩山の景観が素晴らしい場所がありますが、実はバンビエンは「ラオスの桂林」と呼ばれています。確かに、その独特な地形と静かな雰囲気が似ているような気が…。朝早くにホテルから眺めた風景は、思わず写真を撮ってしまう程美しいものでした。
そんなバンビエンを思いっきり味わうことができるのが、ナムソン川のクルーズです。2人乗りの小型モーターボートに乗り込み、いざ出発。周りはとても静かで、ただ、モーター音がブンブンと響くのみ。心地よい風に誘われて目を上げてみれば、そこにはちょっと奇妙な姿でどっしりと構えた石灰岩の岩山が聳えています。川の途中には手作り感が溢れる橋が架かり、そこを子供たちが駆けていく…。東京に身を置く私には、まるで実家のある田舎に遊びに来たかのような、のんびり落ち着いた気分にさせてくれる、癒しのひと時となりました。
国名を告げられず写真だけを見せられたら、これがどこの国かと答えるのは難しいでしょう。しかし、だからこそ、ラオスにはまだ知られていない魅力が隠されているに違いありません。「ラオスにいったい何があるというんですか?」ラオスを知らない人は確かにそう疑問に思うはず。私だったら、今の生活にはないものがある、と答えます。(越野)
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