クリスマスに訪れた五島列島、心癒される教会群巡り
先日、「イルミネーションに輝く 五島列島巡礼の旅4日間」の添乗より帰国致しました。
いよいよ今年の7月、「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」が世界遺産登録の可否が審議されます。五島列島には、そのキリスト教関連遺産として中通島の頭ケ島天主堂、奈留島の江上天主堂、久賀島の旧五輪教会の3つの教会が候補となっています。島は、世界遺産登録に向け、この1、2年でずいぶんと観光客が増えたそうです。
そんな話題の中、私達が訪問したのは、ちょうどクリスマス。24日には厳かな夜のミサも体験しました。この五島列島には50もの大小様々な教会が点在しています。いずれも、キリスト教禁教令が廃止された明治以降に建てられたものだというのですから驚きです。その背景には、16世紀にキリスト教がこの地一帯に伝来して間もなく、秀吉、その後の徳川幕府の禁教令からそれが解けるまでの約250年もの間、迫害を受けながらも細々とその信仰を代々守り続けていたことに繋がります。
教会内の机には信者の方の聖書や筆記具が置かれており、数時間前にミサがあったと思われるストーブの暖かさが残っていたりと、どの教会も地元の方々の生活の一部になっているのだと感じました。夜には、素朴ながらもクリスマスを祝うイルミネーションが教会に灯され、深い夜の中で静かに輝いていました。
五島列島はもちろん、教会群を巡るだけではなく、美しい海、そこで獲れる新鮮な海の幸を存分に楽しめるのも魅力。これから春を迎えると五島名産の椿が咲き誇る季節となります。たくさんの魅力がつまった旅でしたが、その中でもやはり一番心を打たれたのは、ひっそりと佇む小さな教会群でした。海外の荘厳な大聖堂や豪華な教会を訪れる機会が多い私ですが、今回の五島では初めて感じる神聖な気持ちに満たされました。(帯津)
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