2016年1月 6日 (水)

ジョットが生まれた小さな家(中部イタリア)

霧に包まれたヴェッキオ村のジョットの生家

先日、「ジョットの道、ルネサンス芸術の夜明け」のツアーから帰国しました。
このツアーは、中部イタリアの町を巡りつつ、13~14世紀に生きた画家ジョットの足跡を辿る日程です。

本名はジョット・ディ・ボンドーネ。
あまり日本では聞き慣れない画家ですが、「ルネサンスの父」とも呼ばれ、
宗教絵画の世界に微笑みや悲しみなどの人間らしい感情表現をもたらし、さらにフレスコ画技法の礎を築いた、当時としては先鋭的な画家でした。

観光では、ローマ、フィレンツェ、地方都市のアッシジやパドヴァの教会に描かれたフレスコを見学し、ミラノで開催されているジョットの特別展を見学しました。

さらに道中、ジョットの生家に立ち寄ってきました。
ジョットが生まれたのは、フィレンツェ近郊のヴェッキオ村。

トスカーナ地方の美しい田園地帯にある村ですが、当日の朝は10メートル先も見えないほどの濃い霧に包まれていました。
画家が生まれた村にふさわしい、幻想的で神秘的な雰囲気です。

人っ子一人、歩いてない静かな村。
中世から現代に至るまで、さほど変わっていないんだろうなと思いつつ、生家まで歩きました。

霧の中から、ふらりとジョットが現れそうな雰囲気です。

そういえば、羊飼いであった少年ジョットが、
後に弟子入りするチマブーエにスカウトされたのも、
村はずれの石橋であったと伝えられています。

ジョットがチマブーエにスカウトされた石橋(イメージ)

粗い石組みのジョットの生家は現在、
博物館兼村の文化センターとして使われているようです。

彼の作品は殆どが教会に保存されているので、
残念ながらここの博物館にジョットの作品はありません。

生家の佇まいや村の雰囲気を味わうことしかできません。
所有者も何度か代わり、地震で損壊した後の修復などもあって、
当時の名残りは殆どありませんでしたが、

何よりも家の佇まいや静かな村の雰囲気がいい。

ジョット作品を眺めていると、キリストやマリアなど登場人物たちの
喜びや悲しみ、怒り、失望などの人間らしい感情が見事に表現されていますが、
一方でピーンと張りつめた緊張感のような、不思議な静けさも感じます。

今になって振り返ってみると、ジョットの作品から伝わってくる神秘的な静寂は、
彼が生まれ育ったこの村の静けさと同じだったような気がします。
(上田)

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