「コーヒー発祥の国 エチオピアのコーヒーセレモニー」
先日「エチオピアの神髄8日間」より帰国しました。昨年4月から、エチオピア航空が成田に就航した事によって、日本とエチオピアの距離がぐっと近くなりました。 皆さんはエチオピアと聞いて、最初に何が思い浮かぶでしょうか。私は、エチオピアと聞けばそれだけで、コーヒーの香りを思い出します。もう脳裏にエチオピア=コーヒーとインプットされているようです。 エチオピアはコーヒーの発祥地です。ここまではご存知の方もいるかもしれません。しかしコーヒーが、いかにエチオピアの人々の生活に密着したものなのか、いかに生きていく上で重要視されてきたのかは、実際に現地に行ってみないと感じる事が出来ないのではないかと思います。 さて、私達はバハルダールの船着場を、小さな船で出発して約1時間、タナ湖にあるゼギ半島に到着しました。上陸してすぐに、現地のガイドさんが「これがコーヒーの実だよ。」と言って指をさした先に、赤くて小さな実が木になっているのが見えました。私は、不意を突かれたような一瞬の驚きを味わいました。コーヒーの豆は、茶色で真中に筋が入っていていい香りのするモノ。思い返せば、いつも見ているコーヒー豆になる以前の姿を見たことがなかったのです。丁度私たちが訪れた12月下旬は、コーヒーの実がなる時期でした。 また、コーヒーセレモニーという習慣がエチオピアにはあります。炒る前のコーヒー豆をシャカシャカと水で洗うところからはじまり、洗ったコーヒー豆を炒ると、ほのかなコーヒーの香りがあたりいっぱいに広がります。木製の臼で豆を粉末になるまで潰し、沸かしたお湯にそのコーヒーの粉末を入れて煮ます。この間、私達はコーヒーを作ってくれているエチオピアの女性の手元をじっと見つめていました。コーヒーセレモニーが始まってから、私達の手元にコーヒーが運ばれるまで約1時間半。なぜ、こんなに時間をかけて、コーヒーを一から入れるコーヒーセレモニーというものが存在するのでしょうか。 コーヒーセレモニーは、どの家庭でも行われます。通常毎食後に行われていたというのですから、1日のうちに3回ということになります。コーヒーセレモニーの準備ができると、家族や時には近所の人にお呼びがかかります。「コーヒーをいれるから、是非私の家にいらしてね。」といった感じです。そして、コーヒーを入れるまでの間、「今日の学校はどうだった?」「最近、○○さん家の息子さんに男の子が生まれたらしい」といった他愛も無い世間話をして過ごします。この時間が、家族や地域の人々のつながりを強くする為に必要なのだそうです。なるほど思い返してみれば、コーヒーが出来上がるまでの時間は、優しくて、静かで、暖かい雰囲気に包まれていた気がします。昔ながらの優しい時間が今も尚ゆっくりと流れている。そんな古き良きエチオピアを感じた旅でした。(堤)
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