2016年2月12日 (金)

カリブ海の民、クナ族の島(パナマ)

クナ族の家族

先日「サンブラス諸島とパナマ絶景紀行」のツアーから帰国しました。

今回は、寒い日々が続く日本とは正反対の熱帯パナマの旅。
中米パナマのカリブ海側に浮かぶ、サンブラス諸島をご案内してきました。

太平洋側に位置する首都パナマシティからパナマ地峡
(南北アメリカ大陸を結ぶ一番狭い場所)を四輪駆動車で約2時間で横断し、
カリブ海へ。
(ちなみに太平洋から大西洋までの約80キロを船舶でパナマ運河を通ると最速で約9時間、最大24時間位かかります。)

カリブ海に面した小さな漁村カルディの浜から水平線を見渡すと、
沖合にはヤシの木々が生い茂った小さな島が点々と浮かんでいます。
小さなボートに乗り込んで出港です。

このサンブラス諸島は、合計360もの島々が南方コロンビアの沖合にまで連なっています。
全くの無人島から集落のある大きな島、たった一家族しか住んでいない島や
ホテルが一軒しかない島もあればヤシの木が一本しかない島など、実に個性的な島々が
集まっています。

そのうちの一つ、イスラ・ぺロ(犬の島)に上陸。
珊瑚礁の浅瀬がちょっと成長したくらいで、直径50メートルほどの小島。
暴風雨がやってきたら、全ての物が吹き飛んでしまいそうな、
何とも頼りない小島ですが、その美しさだけは抜群。

珊瑚が砕けた白い砂、完全に透き通った透明の海水。
その色は沖に向かって、エメラルドグリーンから深いコバルトブルーへと変わってゆきます。
風に揺れるヤシの木陰にゴザを敷いて一休み。
文句無しにカリブ海の美しさ、雰囲気を体感した瞬間でした。

実はこの島にたった一家族がココナツヤシの管理の為に住んでいます。
しかもカリブ海地域では珍しく、サンブラス諸島の先住民はモンゴロイド系統の民族なのです。
先住民クナ族は丸木船で小島を行き交っており、
集落がある人口250人ほどの島にも上陸しました。

クナ族の男は漁に出て、女性達はモラという独特の刺繍を売って生活をしています。
刺繍デザインはじっくりと眺めると実にユニーク。
魚や鳥、植物などの自然をモチーフにしているのですが、
そのエキゾチックなデザインはマヤ遺跡のレリーフを思わせ、
その鮮やかな色彩はアンデスの織物を思い出させます。
顔立ちもカリブ海で良く見られるアフリカ系の混血ではなく、
明らかに南米アンデス山中の先住民や中米マヤ系統の、モンゴロイド人種である事がわかります。
中南米のモンゴロイド系の先住民は殆どが山中や密林ジャングルに住んでいるので、
カリブ海沿岸地域に住んでいるモンゴロイド系の先住民は、何だか不思議な感じがしました。

カリブ海の島々は街中に音楽が溢れ、絶えず賑やかな雰囲気の島々が殆どですが、
ここは波の音すら聞こえてきません。
これも大人しく、穏やかなモンゴロイドの特徴なのでしょうか。
人々の表情も穏やかで、日々幸せな生活を送っているのが感じられます。

このサンブラスの島々に滞在した僅かな時間は、
自然の音の記憶がありませんでした。
島の静けさとクナ族の穏やかな表情。
同じモンゴロイドである日本人との小さなつながりを感じました。
(上田)

中米のツアーはこちら
カリブ海のツアーはこちら

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