ガンジス河で見たベナレスの祈りの儀式 (インド)
「インド悠久文明の旅13日間」から帰国しました。毎日が見所満載のツアーでしたが、私の心に一番残っている出来事は、夕暮れと共にガンジス河で始まるプージャです。 プージャとは、夕暮れ後にガンジス河で行われる礼拝儀式のことです。
その日はカジュラホの観光を終えて午後の便でベナレスへ向かい、残す観光はプージャの見学のみでした。空港からベナレスの市内に入ると途端に交通量が増え、いつの間にか道路は隙間がないくらいに、車やバスや人や自転車でごった返しに。プージャが行われるガンジス河までは、大型バスの立ち入りが禁止されているので、少し離れた場所からリキシャで向かう必要がありました。バスから降りてリキシャに2人ずつ乗り込み、大変な交通量の一部となると、四方八方からけたたましい車のクラクションに驚き、今にも自分の乗っているリキシャがバイクとぶつかりそうな距離感に冷や冷やします。混沌とした中に、我が物顔で居座っている大きな牛を見ると、流石インドだなと少し滑稽に思いました。
そんな人ごみにもまれながら、やっとガンジス河の船着き場に到着しました。岸辺の舞台上で行われているプージャを、河の上から見学する為、一人ずつ小舟にうつっていきます。全員が乗ったこと確認すると、船頭の若い少年は慣れた手つきでオールを漕ぎ、小舟を出発させます。夜のガンジス河が導くゆったりとした流れに身をまかせて、河の中ほどまで行くと、途端にさっきまでの騒音を遠くに、そして近くに静けさを感じます。時刻は午後6時30分。プージャはもう始まっていました。舞台上では、火が炊かれ、太鼓などの様々な楽器が演奏され礼拝の儀式が行われていました。遠くで響くその演奏と、オレンジの炎に照らされた舞台は、インドの人々の信仰心の深さを五感に訴えかけてくるようでした。「最後はこの河に身を沈めたい」と、ヒンドゥー教の人々ならば誰もが願う聖なるガンジス河。その神秘的な雰囲気に心を洗われるような感覚で、プージャをじっと見つめずには居られませんでした。
ふとした瞬間に、河に流されたろうそくが目に留まりました。信徒がプージャのために流した灯籠でした。可愛らしい小さな花が詰められ、小火を灯す手作りの灯籠は黒いガンジス河の水面に映え、ぷかぷかと浮かんで綺麗でした。(堤)
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