『プラハの春音楽祭』でチェコの素晴らしさを堪能。
先日、華麗なる中欧紀行10日間のツアーより帰国致しました。ハンガリーの素朴な田園風景、ハプスブルグ家の一時的な都となったスロヴァキア・ブラチスラバ、そしてチェコの歴史ある観光地の数々を巡りました。
その中で今回の旅行一番の目玉は、チェコの首都プラハで開かれた『プラハの春音楽祭』のオープニングコンサートです。
プラハの春音楽祭は、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団の創立50周年記念公演としてドヴォルザークの交響曲が演奏されたことに始まり、今年で71回目を迎えます。オープニングコンサートでは、チェコを代表する音楽家スメタナの命日である5月12日に毎年、彼の代表作「わが祖国」の演奏で幕を開けます。
スメタナは、当時ボヘミア北部のリトミシルでビール醸造技師の息子として生まれました。幼い頃から音楽の才能を開花させ、成人後は音楽学校の教授となりました。また、作曲家フランツ・リストと交流があったスメタナは、リストの影響を受けて交響詩を作曲し始めます。
当時のボヘミアは、オーストリア・ハンガリー帝国からの支配を受け、独立の気運が高まり、チェコ国民としての民族意識が高まっていた中、スメタナも民族意識に目覚め、音楽によって祖国への思いを主張しました。
日本ではモウルダウとして有名な連作交響詩「我が祖国」の最も有名な第2曲ヴルタヴァでは、チェコ最長のヴルタヴァ川の流れが優雅に描写されています。冒頭の木管楽器の軽やかな演奏は、源流の始まりや水しぶきを表現し、その後加わる音楽の厚みによってそれらの川がひとつになり、ヴルダヴァ川の堂々たる大きな流れを感じることができます。
実際に、スメタナホールがヴルタヴァの曲に包まれると、場所は違いますがどこか懐かしく心地良い気分になりました。スメタナは、音楽によってそれぞれの故郷を思い起こさせる素晴らしい作曲家であることを改めて認識しました。
また、今年のオープニングコンサートの指揮者は、現在NHK交響楽団の首席指揮者に就任しているパーヴォ・ヤルヴィ。彼の情熱と繊細さに溢れた指揮は、見る者の心を掴み魅了します。スメタナの祖国に対する熱い思いを、パーヴォ・ヤルヴィの指揮によって表現されていました。来年のプラハの春音楽祭のオープニングコンサートは、どんな指揮者の「我が祖国」を観ることが出来るのか、今から楽しみです。(松本)
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http://www.eurasia.co.jp/attraction/feature/prague-spring.music.festival
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