お釈迦様の誕生日に行われる、釜山・三光寺の提灯祭り(韓国)
先日、ユーラシア旅行社の「韓国歴史遺産紀行 7日間」のツアーより帰国致しました。お釈迦様の誕生日って何月何日かご存知でしょうか?これには諸説ありますが、北伝仏教では旧暦(中国暦)の4月8日とされています。我が国日本では毎年新暦の4月8日にお釈迦様の誕生を祝う仏教行事「花祭り」が行われ、お釈迦様の像に甘茶をかけてお祝いしますが、韓国では旧暦の4月8日に国民の祝日として定められ、韓国各地のお寺で記念行事が開かれ、燃灯や提灯が飾られます。旧暦の4月8日となると、新暦上の日付は毎年変わりますが、2016年は5月14日になります。
今回のツアーでは、前日の5月13日に、韓国各地の数あるお寺のうち、釜山にある三光寺の提灯祭りを訪れました。ただ釜山の三光寺と言ってもほとんどの方がピンとこないのではないかと思います(事実どのガイドブックを見ても三光寺の記載を見つけることができません)。ではなぜ三光寺なのか?実はこのお寺の提灯祭りは、夜になると一斉に点灯される提灯が非常に美しいということで、アメリカCNNの「韓国の美しい名所50選」の1つに選ばれたからです。
私たちは釜山市内で夕食を取った後、いざ三光寺へ。通常であれば市内から30分ほどで到着するのですが、やはり年に1回のお祭りでしかも世界から注目されているということもあり大渋滞!のろのろ進みながら、出発してから1時間半後にようやく到着。バスを降りてから坂道を上がると、目に飛び込んできたのは色とりどりの提灯、そして十二支のオブジェも私たちを出迎えてくれました。敷地内に飾られた提灯の総数は何と約4万個!無数の提灯の下を潜り抜けて階段を上がり本堂まで行くと、今度は眼下に今潜り抜けてきた提灯を見ることができました。これまた絶景!ただカラフルなのではなく、よくよく見ると「卍」の文字が。
翌日の5月14日、すなわちお釈迦様の誕生日当日は慶州へ移動し、仏国寺、石窟庵と仏教ゆかりの地へ観光しましたが、やはり色とりどりの提灯が飾られていました。仏国寺では、飾られていた提灯の1つに近づいて見てみると、右手を天に指し、左手を地に指す子供のイラストが。これがかの有名なお釈迦様が生まれた直後に、7歩歩いた後に唱えた「天上天下唯我独尊」のシーン。この細かい演出にも少し感動しました。また石窟庵では、釈迦如来像を見学しました。通常はガラス越しでの見学となりますが、この日は特別な日ということもあり、ガラスが取り払われて、より近くで釈迦如来像を見学できました。そしてそれだけではなく、釈迦如来像の裏にあるため普段は見られない十一面観音菩薩像も見ることができ、非常に得した気分になりました。(斉藤信)
| 固定リンク
「アジア情報」カテゴリの記事
- 地上からも上空からもヒマラヤ山脈とアンナプルナ山群を堪能!(ネパール)(2017.12.28)
- 酸っぱいけど甘辛い?カンボジアの「お漬け物」(2017.12.27)
- お釈迦様入滅の地、クシナガルへ(2017.12.15)
- ネパールの生きた女神、クマリにびっくり!(2017.10.20)
- 幸せの国ブータンに幸せを運んだ日本人がいた!(2017.09.07)
「世界のお祭り情報」カテゴリの記事
- モンゴルの国民的祭典、ナーダム祭(2017.08.09)
- チェスキークルムロフの“薔薇祭り”にて中世にタイムスリップしてきました!(2017.07.13)
- 一足早い夏祭り、リスボンで一番盛り上がる聖アントニオ祭(別名イワシ祭り)(2017.07.05)
- バラ摘み体験とパレードを堪能!カザンラクのバラ祭り(ブルガリア)(2017.07.04)
- 「中世の雰囲気を味わうことができるタリンの旧市街祭り!(バルト三国)」(2017.06.29)
「世界の宗教情報」カテゴリの記事
- ウズベキスタンの古代仏教都市テルメズ訪問。故加藤九祚先生の功績にも触れました。(2017.10.24)
- 多様性の中の統一(インドネシアの宗教観に触れる旅)(2016.11.08)
- ドイツでロマネスク探し(2016.11.02)
- ルーマニアの祝日、聖母マリア被昇天祭(2016.09.09)
- お釈迦様の誕生日に行われる、釜山・三光寺の提灯祭り(韓国)(2016.06.07)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント