山の国スイスで楽しむ、エメラルドグリーンの湖クルーズ
先日、「氷河特急一等車で行く、スイス2大鉄道とヨーロッパ三大名峰の旅 9日間」のツアーから帰国いたしました。春のスイスは空気も澄み渡り、山間にあってまるで箱庭のような可愛らしいツェルマットの町からは、雄大なマッターホルンの姿をくっきりとみることができました。
今回のツアーでは、アイガーのお膝元として観光客が絶えないグリンデルワルドへの玄関口となっているインターラーケンの町からブリエンツ湖のクルーズにも出かけました。エメラルドグリーンの湖を進むと、波止場が近づくごとに小さな村が見えてきます。
谷の部分にある湖岸からはすぐに斜面が始まるため、家々は山の斜面に張り付くように点在し、まるで村は縦に延びているように見えます。ほかにも、春の雪解けを迎え迫力が増した滝や、凛とたたずむ古城など絵画のような風景が続きます。リバークルーズは近年一般的になってきましたが、スイスのクルーズの魅力はやはりその水の色。このエメラルドの湖面は、何千年もの年月をかけて空気と一緒に不純物が押し出され、圧縮された氷河が溶けたことでこれほど美しい色を出しているのです。
この湖に蒸気船が走り始めたのは1850年代。インターラーケンのあるホテルのオーナーが、もっと町に長く滞在してもらおうと蒸気船観光を発案したのが始まりです。同じ時期にスイスに導入された鉄道と共にアルプス観光の足となりますが、やがて鉄道の圧倒的な輸送量に押され移動手段ではなく乗船自体を楽しむ遊覧船としての性格を強くしていきました。
山の印象が強いスイスですが、フランスとの国境にあり湖畔がリゾート地として名高いレマン湖や古都ルツェルンの防衛上も重要だったルツェルン湖など、多くの湖を有しています。厳しい冬の間は雪のために道路が閉ざされることも多い山がちな地形だからこそ、こうした湖には遊覧船や定期船が充実しているのです。展望台から楽しむことが多いスイスの山々は、のんびり湖上から眺めるとまた違った表情を見せてくれ、とても印象的でした。(松永華)
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