ヨルダンが誇る至宝のペトラ
先日ヨルダンとイスラエルの9日間の添乗より帰国致しました。今回の旅で印象深いのはやはりヨルダンが世界に誇るペトラ遺跡でした。
ペトラは紀元前6世紀頃からアラビア半島から移住してきた遊牧民族のナバタイ人が岩山を掘り発展させた都市です。ギリシャ、ローマを始めエジプト文化やアッシリア文化の影響も受けています。何度も訪れてもその壮大さに心がワクワクする場所です。
遺跡ゲートから一番近いホテルから徒歩で遺跡へ向かいました。6月ということもあり現地は最高気温38度越えの猛暑が続きましたが、気持ちの良い風が吹いて体感気温は30度弱に感じました。ゲートを通過してまずは長い一本道と峡谷(シーク)が続きます。両側には当時の墓跡がかなり綺麗な状態で残っていて、階級によって墓の装飾も異なります。峡谷は水の浸食により狭い道ができていて全長は約1.2km、ナバタイ人にとっては自然の要塞になっていました。峡谷の道にもナバタイ人が発展させた水道管やダムなどの水利施設が残ります。汗をかきながらまだかまだかと長い峡谷を進むと、突然それは隙間から現れました。ペトラの一番の見所であるエル・カズネ(宝物殿)です。
高さ40mもあるエル・カズネが峡谷の隙間からチラッと見えるポイントがあり、そこまで来るとさらに気分は上がります。目の前に立って見るとその壮大さに圧倒されました。日の当たり具合で色も変わり、イオニア式の柱頭の飾りや儀礼を司る神々の像などの装飾も見事で、“薔薇色のペトラ”、“至宝のペトラ”といわれる由縁を肌で感じ取れました。
エル・カズネをあとにして、ペトラの最終目的地である山の上のエド・ディル(修道院)へ。エド・ディルまでの道は階段が約800段あり、かなりきついもので体全体から汗が噴き出てきました。全員で休憩をしながらゆっくり進み、約1時間かけて上りました。頂上に到着して振り返るとそこにはペトラで最も大きな建造物であるエド・ディルが堂々と立っていました。
あまりの巨大さに見ただけで今までの長い道のりの疲れを忘れました。高さは約60mで壁に少し埋まっている状態です。少し奥に展望台もあります。上から見ると青い空とエド・ディルが対象的に見え、気持ち良い風も吹きここまでやってきたんだとさらに感動します。紀元前4世紀頃のナバタイ人がこの建造物を彫って創ったことを想像してみると言葉が出ません。
帰る時は何回も振り返り、感動で胸いっぱいになりながらペトラを後にしました。(山下)
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