ハプスブルク家御用達?創業1569年の老舗パン屋さん
先日、「オーストリア世界遺産と湖水地方の旅13日間」から帰国しました。湖水地方の小さな町から、ウィーンの大都市まで、オーストリアの見所がつまったツアーになっています。オーストリアはウィーンのイメージが強すぎて、次に大きな都市は?と聞かれて、ピンとくる人は少ないと思います。そんなオーストリアで第2の都市といわれるのが、ウィーンの南西約200㎞のところにある、グラーツです。
グラーツはオーストリアでウィーンに次ぐ、第2の規模を誇る都市。赤瓦の屋根が目を引く、中世の面影が残る街並みで、1999年に世界遺産に登録されました。グラーツという語源は「小さな城」や「砦」を意味するグラデツというスラヴ語からきているそう。シュロスベルク(城塞)にある、28m程の時計塔はこの街のシンボルとなっています。そこからは街に流れるムーア川、そしてルネサンス、バロック、ゴシックと時代ごとに異なった様々建築がうまく保存、調和している素晴らしい眺めを楽しむことができます。
グラーツには、大学が5つあり、学生の街としても知られ、若者が多く、おしゃれなカフェや流行にのった最先端のお店も数多い。最近では、現代建築の美術館も建てられ、モダンな一面も見せています。
このグラーツの街で、最古のパン屋といわれるのが、旧市街の中心、ハウプト広場の近くにある「Edegger-Tax(エーデッガー・タックス)」という宮廷ご用達のパン屋さん。創業1569年ですが、14世紀には既にパン屋さんとしてオープンしていたともいわれる、老舗中の老舗。現代のオーナーは8代目にあたるそうです。入口には神聖ローマ帝国、ハプスブルク家の紋章ともなった、金色に輝く、双頭の鷲が。1883年、ハプスブルク帝国の皇帝フランツ・ヨーゼフ1世のグラーツに滞在した際、パンを献上し、以来王家の食卓へパンを供給し続けたと言われています。
落ち着いた店内では、可愛らしい店員さんが笑顔で出迎えてくれ、ショーケースの中には美味しそうなパンやケーキがたくさん!一口サイズのかぼちゃクッキーやマカロンもあり、お土産にもぴったり。実はこのお店は初の海外支店として、2015年9月に東京の神田にお店をオープンさせているのです。残念ながら、現在は閉まっており、ウィーン伝統菓子の専門店「Neues(ノイエス)」というお店と統合して、新たなお店が今後できるようです。
店内の穏やかな雰囲気と美味しそうなお菓子やパンに囲まれていると、ついつい長く滞在してしまいます・・・
街全体が世界遺産に登録され、ハプスブルク家とも深い関わりを持つ、グラーツの街。街の散策に疲れたら、このパン屋さんに休憩がてら、是非入ってみては?(荒川)
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