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2016年8月

2016年8月31日 (水)

シベリウスの愛した森~フィンランド・アウランコ自然公園

先日、「北欧物語15日間」のツアーより帰国しました。
今回訪れたのは、フィンランド、スウェーデン、ノルウェー、デンマークの4ヶ国。夏は、観光にとってのベストシーズンというだけでなく、北欧の人々にとっても、大変重要な時期です。それは、白夜と言われる現象が起こるからです。夜は23時を超えてもまだ薄暗い程度で、朝は3時頃から明るくなり始めます。北端のノールカップまで行くと、太陽は地平線に沈むことなく、再び上空に旋回するという、神秘的な現象を見ることも出来るのです。寒さの厳しい、長い冬を超えて訪れる夏は、現地の人々にとっては「待ちに待った夏」なのです。日中は公園で日光浴をしたり、夜中までテラスで食事を楽しんだり・・・。町では、空だけでなく、人々の表情も明るくなります。
さて、街並み、歴史、文化、自然と、見所の絶えない北欧ですが、フィンランドのアウランコ自然公園が印象的でした。弊社でも、今年から取り入れた訪問地で、アジア人が訪れることが珍しいそうで、観光中、地元の新聞社からインタビューを受けたほどです。
アウランコ自然公園は、ヘルシンキから約1時間の距離にある国立公園です。スタンデルシェルド大佐という軍人兼実業家が、1883年に造園した人工的な公園で、その後、国の管理する森林となりました。フィンランドの森では、誰でもベリーやキノコを摘むことが許されており、この公園内も同様です。深い緑に包まれた森林の散策中、私たちもベリーを摘んで味見!日本ではなかなか出来ない経験に、お客様も楽しまれていました。

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また、アウランコは、音楽家のシベリウスが少年時代を過ごした場所でもあり、彼はこの森を大変愛していたそうです。ここで受けたインスピレーションが、彼の作る美しい旋律に影響を与えたのは、と想像を膨らませながら、新緑の自然を堪能したのでした。(飯野)

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2016年8月30日 (火)

カムチャツカ半島でフラワーハイキング

ヴィリュチェンスクハイキング

この度、7月23日発「カムチャツカ、ハイキング三昧 5日間」のツアーより帰国いたしました。日本の北、ロシアの最東端に位置するカムチャツカ半島は、寒さが和らいで温かくなる7月に花のシーズンを向かえます。この時期に合わせて、期間限定の成田発カムチャツカ直行便が出ています。
カムチャツカ半島は、日本より緯度が高いので、然程標高が高くない山でも、可愛らしい高山植物があちこちに咲き、気軽にフラワーハイキングを楽しめることが出来ます。
今回はバチカゼッツ高原、ヴィリュチンスク、そしてアバチャ山ベースキャンプでのハイキングを楽しんでいただきました。ハイキングへは、六輪駆動車で出かけます。かつて、軍事用に使われていた車両ですが、現在は山を訪れる観光客のために改造されています。ベースキャンプでハイキングをした日は、朝9時30分にホテルを出発し、約2時間六輪駆動車に揺られました。ベースキャンプの標高は約800m、晴れていれば、アバチャ山(標高2741m)とコリャーク山(標高3456m)の雄姿を見ながらハイキングができます。私達は、ロシアのフラワーガイドと、ローカルガイドと共に2時間程散策をしました。アップダウンも少ないので、気軽に歩けるコースです。この日、見られた花は、チシマフロウ(紫)、チシマクモグサ(白)、イワベンケイ(黄)、エゾツツジ(紫)等、北海道でよく自生している花でした。他にも、今となっては日本であまり見られなくなったキバナアツモリソウ(黄)や、北米でよく見かけるインディアンペイントブラシ(白)などもツアー中に見ることが出来ました。

インディアンペイントブラシ

この日のハイキング中、とても印象深いシーンがありました。ハイキングの休憩中、グループのお客様とローカルガイドの会話の中で、ロシア民謡「カチューシャ」に関しての話題が挙がりました。日本では歌手の加藤登紀子さんが、この「カチューシャ」を日本語で歌っていることから、皆さんの中でもご存知の方は多いかと思います。するとローカルガイドが、なんとも綺麗な歌声で日本語版の「カチューシャ」を歌ってくれたのです。ツアーのお客様は、その美声に声を傾け手拍子を始めました。私はその光景を、少し離れた場所から見つめていました。カムチャツカの澄み切った青い空と、コリャーク山の凛々しい姿、可愛らしい高山植物の姿とともに、今も目に焼きついて離れません。
もし、花をめでる為にカムチャツカを再訪する機会があれば、来年になってしまいますが、その時は自分で「カチューシャ」を歌ってみたいなと密かに思いました。(堤)

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2016年8月26日 (金)

絶景!フランツ・ヨーゼフ・ヘーエ

フランツ・ヨーゼフ・ヘーエ

先日オーストリアの添乗から帰国致しました。今回のツアーではアイゼンシュタットからウィーンの世界遺産と湖水地方をゆったり13日間で巡りました。
特に印象深かったのは、「フランツ・ヨーゼフ・ヘーエ」です。
オーストリア最高峰グロースグロックナー(標高3787m)を間近に見ることができる展望台です。ハプスブルク帝国最後の皇帝フランツ・ヨーゼフが訪れたことが名前の由来になっており、ヘーエというのは高原という意味です。
麓にあるハイリゲンブルートという村から向かいました。前日の予報は雨で心配しましたが、当日朝になると雲ひとつない快晴でした。グロースグロックナーの頂上もホテルから綺麗に見え、期待に胸が膨らみました。バスでホテルを出発し、山岳道路に入りました。ここからはバスの車窓から3000m級の山々の絶景が広がります。展望台に到着する20分間カメラのシャッターを押す手が止まらないほど綺麗な景色でした。
展望台の手前に到着すると、既にたくさんの観光客で賑わっていました。一番奥の展望台までは壮大な景色を眺めながら平坦な道を30分程進みます。しばらく進むと途中に観光客の人だかりが出来ていました。何事かと覗いてみると、なんとそこにはマーモットがたくさん草むらから顔を出していました!観光客の子供が持っているお菓子につられて出てきたようです。そのお菓子をあげると喜んでバクバク食べ出し、かわいい!と歓声が上がりました。人が手で触れても全く怖がらず、カメラを構えると心なしかポーズを決めてくれる。全員がカメラを撮り終わるまでいなくならずに待っていてくれる、人懐こく愛らしいマーモットでした。
一番奥の展望台につながる建物に入り階段を下って出口に出ると、グロースグロックナーと3000m級の白い雪山の絶景が目の前に広がりました!今回天気も快晴のままで空気はひんやりしていましたが、寒くもなく絶景を見るには最高の環境でした。集合時間ぎりぎりまでその景色を堪能できました。出発する時は何度も後ろを振り返ってしまいました。
(山下)

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2016年8月25日 (木)

地球を体感!ぐるりアイスランドバス周遊

先日、「アイスランドバス大周遊10日間」より帰国しました。
アイスランドはまだまだ未知の国で日本で集められる情報は多くはありませんが、火山あり、氷河あり、そして温泉ありと地球が生きていると実感できるワイルドな場所なのです。
10日間かけてバスでアイスランドをぐるりと周遊しながら、地球の割れ目ギャウや神々の滝と称されるゴーザフォスの滝、世界一大きな露天風呂ネイチャーバスなど見どころを訪ねるのですが、アイスランドの醍醐味はそれだけではありません。
今回のバス周遊の醍醐味はなんといっても車窓からの風景です。アイスランドの南西からツアーは始まります。まず目に飛び込んできたは緑の広大な草原です。広々としたその土地には寒さから身を守る為にパンパンに密度の詰まった毛をまとった羊がのんびりと草を食んでいる様子を観察することができました。私たちが訪れた7月はベビーラッシュ直後。母羊の傍らには2匹の子羊ちゃんがぴったりと寄り添っていました。(羊は2匹の赤ちゃんを産むことが多いそうです。)アイスランドでは羊たちは11月頃まで一度も集められることなく放たれっぱなしで、ストレスがかかることなく自由に育っていくそうです。だからでしょうか、アイスランドのラム肉は臭みがほとんど無くとても柔らかいんです!アイスランドは島国のため近隣諸国にいるホッキョクグマなどの大型動物はここにはいません。外敵がほとんどいない為、羊だけではなく、警戒心の強い馬でさえでは寝るときはごろっとお腹を出していました。こんなにリラックスした馬を見たのはアイスランドが初めてでした。
草原を抜け、東海岸から内陸部にかけてを走ると草原の風景が一変し不毛の溶岩台地が現れます。バイキングがかつてこの地に足を踏み入れた時、寒さや自然環境の厳しさから定住を諦めたというのも頷けます。また、草がほとんど育たない荒々しい大地は、NASAが“地球上でもっとも月面に類似している”と述べています。実は、1969年、アポロ宇宙船が月面着陸に成功しましたが、その訓練をここアイスランドで行ったという有名な話もあります。

アイスランドツアー

そして北部には良港があるフーザウィークの街が広がっており、さらに北から南に向かって山岳ロードを一気に走り抜け旅の終点は首都のレイキャビークです。
こんなアイスランドぐるり一周ツアーの中で最も印象に残ったのは道端に力強く咲く小さな野花です。日本では見逃してしまうほどの小さな小さな花が岩陰にひっそりと咲いています。寒冷な地の為、手入れされた立派な花壇があるわけでもなければ、一面野花が広がる花畑もほぼ皆無。小さな野花からは短いアイスランドの夏に一所懸命咲き誇る健気さを感じました。今回はお花がお好きなお客様が多く、まさかアイスランドでこんなにお花に出会えるなんてと感激しながら1つ1つ丁寧にカメラにその姿を収める姿が印象的でした。
そして幸運なことにアイスランドの国花“チョウノスケソウ”も見ることが出来ました。白い小さな可愛らしい花です。華やかな花ではないけれど現地で出会った温かく忍耐強いアイスランド人にはぴったりのお花だなと思いました。

アイスランドツアー

訪れるそれぞれの観光地での感動はもちろんですが、毎日の車窓からもアイスランドの様々な表情を発見することができました。なんとも心洗われる旅となりました。早くもアイスランドに再訪できることを心待ちにしています。(岡山)

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2016年8月24日 (水)

注目!ブラジルで出会ったアマゾンフルーツ

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先日「レンソイスの絶景とイグアスの滝へ 9日間」の添乗より帰国しました。リオオリンピック開会を間近に控えたブラジル・サンパウロの空港はオリンピックグッズの公式ショップなどがオープンし盛り上がりを見せていました。しかし、今回私たちが訪れたのはブラジル北東部大西洋岸に位置するマラニョン州。地図でみるとブラジルの国土の右上端っこです。そこではオリンピックの盛り上がりは見られず、いつもと変わらない穏やかでのんびりとした時間が流れていました。ユーラシアの旅ではもうお馴染みとなった絶景「レンソイスの白砂漠」の観光はこの田舎町マラニョン州のバヘリーニャスが拠点となります。石英が作り出した白砂漠、雨季の終わりに出現するエメラルドグリーンのラグーンやそこに棲む魚のお話はすでに他の添乗員が紹介していますので、今日は別の話題を。現地で思わず「なんだコレ?!」と呟いてしまった、ちょっと珍しいアマゾンフルーツをご紹介します。

アサイー、タピオカ、アセロラ、グアバ、パッションフルーツ・・・近年日本でもその名前を聞くことが多くなったこれらのフルーツは実はブラジルが主な産地。中でもアサイーは栄養価が高くオリンピックの選手村ではアサイーが朝食メニューにも取り入れられていたのだとか。見た目はまるでブルーベリーのような粒状ですが、実はヤシ科。今回はバヘリーニャスの桟橋からボートで小レンソイスへ向かう道中、マングローブの中に背を高く伸ばしたアサイーの木を見つけることができました。

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今回の旅で見た目に衝撃を受けたのは「カシューアップル」。赤や黄色のパプリカに、硬いソラマメ風の何かをくっ付けたような、ちょっと奇妙な形。この“ソラマメ風”の部分、よく見ると日本でもよく食べているカシューナッツではありませんか!「カシューナッツってこんな風にできるのか~」と皆様興味津々でした。しかしブラジルの人々はどちらかというとナッツの部分よりも“パプリカ”のように見える果実の部分が好きなのだとか。カシューアップルと呼ばれるこの部分はジュースやジャムのように煮詰めたり、そのままがぶっと食べたりします。ちょっと渋いけど、パイナップルのような爽やかさもあるような、そんな味。鉄分、カルシウムが豊富で、町のあちこちでカシューの木があり、この奇妙な実がたくさん落ちていて地元の人の気軽に食べられるおやつとなっていました。

そして現地でもう一つの人気フルーツが「クプアス」です。残念ながら実物をみることはできなかったのですが、カカオの親戚にあたるそうなので見た目はカカオの実そっくりだとか。どこへ行っても看板には「CUPUACU」の文字を見かけました。マンダカル漁村のアイスクリーム屋では定番フレーバーですし、バヘリーニャスで食べた昼食のデザートでもこのクプアスを使ったクリームが登場しました。日本ではまだ馴染みのないフルーツですが、知る人ぞ知る「神秘のフルーツ」としてジワジワと日本にもその名を広めつつあります。その“神秘性”は味にあります。今まで口にしたことのない味なのです。言葉で表現するならば、甘さ控えめ、酸味も控えめ、でもじっくり味わうと爽やかな梨に似た香りや風味が広がる・・・そんな感じ。低カロリーながら、ビタミンC・A・Bや鉄分が豊富に含まれ、スーパーフードのアサイーに匹敵するとも言われている注目のフルーツです。

今や日本は空前の健康ブーム!世界中のスーパーフードが注目されている中で、今日ご紹介したカシューアップルやクプアスを日本に居ながらにして味わえる日も近いはず!?(三橋)

ユーラシア旅行社でいくレンソイスツアーの魅力はこちら

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2016年8月23日 (火)

野生の王国、ンゴロンゴロ自然保護区(タンザニア)

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先日、「ケニア・タンザニアハイライト 9日間」から帰国いたしました。ケニア・タンザニアは大乾季の時期、毎日お天気に恵まれたツアーでした。

今回のツアーでは、ケニア・タンザニアにある国立公園や自然保護区を全部で6つも巡り、日本では味わえない広大なサバンナを満喫しました。それぞれの国立公園によって見られる動物は違ってきます。森林の多い場所では猿が多く生息し、広大なサバンナではシマウマ、キリン、ゾウなど大型動物が暮らしており、様々な動物との出会いは大変面白いものでした。
中でも、タンザニアのンゴロンゴロ自然保護区は、今回訪れた中でも珍しい特徴がある自然保護区で、平原ではなく巨大なクレーターになっています。火山の大噴火によって形成され、その中に動物が移り住んできました。クレーターという性質から、動物たちはクレーターの外へは出ず一生をクレーター内で過ごします。広さが約8288平方キロメートル、クレーターの淵から底までは約600メートルもある巨大なものです。2万5千頭ものあらゆる動物が生息しています。
ツアーではドライブサファリを4時間じっくりとして、動物の生活を観察。クレーターの淵にあるホテルから出発し、クレーターの底を目指し移動すると、ヌーやインパラ、ガゼルがお出迎え。クレーター内はバッファローが木陰で休んでいたり、カバの日向ぼっこ、イボイノシシが一生懸命に走っていたりとライオンキングさながらの情景が目に飛び込んできます。実際、ンゴロンゴロ自然保護区は映画「ライオンキング」の舞台となったとも言われています。
さて、ドライブサファリも終盤に差し掛かった頃、動物を探していると4WDが集まっている所があり、近づいてみるとドライバーが「シーッ」と注意、緊張が走りました。前を静かに観察するとなんと道のすぐ脇にライオンの家族が!!メス2頭と子ライオンが4頭も。そして近くに転がっていた黒い物体は、バッファローの死骸でした。どうやらライオンの昼食時間だったよう。4WDでライオンたちに近づくと食事が終わった母ライオンの横で乳離れしてすぐの子ライオンが一生懸命バッファローにかぶりついている所でした。口元を赤く染めているのを見て、可愛い顔をしていてもライオンなのだと改めて実感。弱肉強食という自然界のルールを思い知りました。
 死と隣り合わせの自然界、そういった世界で生きている野生動物は、顔つきがワイルドなのがよく分かるのです。飼育された動物とは全く顔つきが違い、目が合うとドキッとするほど。日本に帰ってきた今、またその顔が見たい!!と恋しくなります。(杉林)

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2016年8月19日 (金)

美しい景色と美人の多い国!それは・・(ウクライナ、モルドバ、ベラルーシ)

先日、「愛のトンネルも訪れる ウクライナ・モルドバ・ベラルーシ三ヵ国紀行9日間」の添乗より帰国致しました。これらの三ヵ国はロシアのすぐ東に隣接し、1991年のソ連崩壊後に独立をした国々です。あまり情報も多くないので、なかなかイメージが湧かないかもしれません。数々の侵略された歴史が残した城や教会建築、文化芸術が時に重厚に、時に華やかに現代の私達の心に響きます。

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眉間にしわを寄せ真剣に歴史を語り続ける男性ガイドは大学で英語の先生もしているという真面目な人。そんな時、お客様からあるご質問を頂きました。「ベラルーシでは美人は海外に出国できないというのは本当ですか?」男性ガイドの顔がフッと和らぎ、「そんなことはありません。そんな法律はないですよ。」の一点張り。国立のモデル養成学校があるというベラルーシ。気になったので、次の町のガイドさんにも聞いてみることにしました。ソ連時代の生活と現在の生活について、神妙な顔つきで話していたガイドさんに、同じ質問をすると、一瞬「えっ!」という顔。「それは、ベラルーシが出国を中止させているのではなくて、受け入れ先の国々が制限をしているのですよ。」とのこと。より良い仕事を求めて海外に渡航した女性たちが騙されて事件に巻き込まれた事があったようで、それ以来、行先国のビザ申請をしても(どういう基準で審査をしているのかは不明ですが)、モデルや美人には許可が下りにくい?という話でした。美人が多いといわれるこの東欧の国々。その話題の後、道行く女性達をつい見てしまいました。そういえば、ウクライナの“愛のトンネル”を歩いていた女性も綺麗だったなあ。

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今回訪れたのは、広大なひまわり畑がウクライナやモルドバの移動中に車窓から広がる夏まっさかりの季節。第二次大戦時の悲恋を描いたソフィア・ローレン主演の映画「ひまわり」の撮影は実はウクライナだったとか。夏の晴れた金曜日、モルドバの教会で偶然出会った美しい花嫁たちの笑顔もひまわりの様に美しく光り輝いていました。(帯津)

ユーラシアで行くウクライナ、モルドバ、ベラルーシツアーはこちら

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2016年8月18日 (木)

絶景に負けた !? “南米のへそ” ギマラエス台地(ブラジル)

先日、南米ブラジルの旅から帰国しました。今回の旅では、巨鳥トヨヨやワニの群れ、愛嬌溢れるカピバラが生息する大湿原のパンタナールや、純白の砂漠にエメラルドやブルーのラグーンが点在するレンソイスを訪れ、ブラジルの大自然を楽しんできました。なんてったって日本の23倍もの国土がある広大な国。ブラジルには知られざる見所がまだまだ沢山あります。

今回のツアーでは、あまり知られていない、“南米のへそ”、南米のど真ん中にあるギマラエス台地に行ってきました。ギマラエス台地はちょうど南米の中心に位置しており、卓上台地になっています。もの凄く巨大なテーブルマウンテンをイメージすると分かりやすいかも知れません。その巨大な卓上台地上には、小さな町があったり、見渡す限りの綿花畑や大豆畑などが地平線の彼方まで広がっており、一体テーブルマウンテン自体がどのくらいの規模なのか全く想像もつかないほどのスケールです。卓上台地は高さが500m~600mの赤い砂岩の絶壁で囲まれており、展望台から眺めると、まるで北米のグランド・キャニオンのような雄大な景色が広がっています。また、卓上台地の上を流れ、屏風のように連なるギザギザの絶壁から流れ落ちる落差86mの滝があったり、陽光の差し込み具合で青く輝くブルー・ラグーンの洞窟など、ギマラエス台地には手付かずの自然も残っています。

さて、このギマラエス台地は南米の中心です。かつては近郊のクイアバという町に南米の中心があるとされていました。今でもクイアバの町の一角には、「セントロ・ゲオデシコ」と呼ばれる、南米の中心点を示す立派なモニュメントが残っています。

クイアバにある南米の中心点のモニュメント(セントロ・ゲオデシコ)

まるで青空を突き刺すかのように、空に向かって伸びる鋭い記念碑が印象的でした。ところが近年、GPSを駆使した正確な測定で南米の中心は、ギマラエス台地にあることが判明しました。実際にギマラエス台地上で南米の中心位置を示す石のプレートを見てきました。個人的には、大陸の中心点や大陸の果て、海峡や山の頂上とか大河の源流など地理上の特別な一点が大のお気に入りです。そして赤道や国境などの境目も気になります。
日本でも県境に引かれた境界線に立ったら、たとえ一人ぼっちでもポーズを決めてしまいそうです。このギラマエス大地にある南米のへそを示す石のプレートに立った瞬間は大した労苦があった訳でもないのに、不思議な達成感がありました。頭の中で南米の地図を思い描き、その真ん中に自分が立っていることを想像すると、思わず「やったー!!」と叫んでポーズを決め、記念写真を撮りたい衝動に駆られます。ハイテンションになって、ボルテージもうなぎ上り。さて、地元のブラジル人はどうでしょうか?

何とこの記念すべき南米の中心を示すプレートには見向きもしていません。すぐそばにある展望ポイントからの絶景に夢中です。もしかして、知らないのかな?地元の若者が多かったのでインタビューしてみました。10人に聞いたら、知っていたのはたったの1人。しかもプレートがどこにあるのかも知らない。中心点マニアとしては衝撃的な結果です。

さらに「あそこのプレートは南米の中心点なんだぜ!」と教えてあげても、
「あー、そうなんだ。」 「ふーん。」といった冷たい反応。全くもって関心感動ゼロ。興味なし。

ブラジル人と日本人の指向の差を実感しました。すぐ目の前にあるダイナミックな絶景の方が気になるんですね。地味でよくわからない石のプレートなんて、南米のへそなんてあまり関心がないみたいです。

南米の中心点を示す石のプレート。素通りするブラジル人が多くて寂しい

南米の中心、へそ、ギマラエス台地。個人的にはイチオシの、オススメポイントです。おまけに絶景も見られます。 (上田)


ユーラシア旅行社で行く、ギマラエス大地のツアーはこちら

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2016年8月17日 (水)

展望台から展望台へ。国跨ぎの絶景空中散歩(スイス)

モンブラン

先日、「スイス物語14日間」のツアーから帰国しました。このツアーではジュネーブ乗継で世界遺産に登録されたブドウ畑が広がるラヴォー地区のモントルーからゴールデンパスライン“クラシック”に乗り、アイガー・メンヒ・ユングフラウのオーバーラント三山を臨むグリンデルワルトへ。旧市街全体が世界遺産の首都ベルン、ラインの滝で有名なシャフハウゼン、中世の町並みを残すザンクトガレンやシュタインアムライン、そして小国リヒテンシュタイン。ルツェルンからはウィリアム・テル特急にてクルーズ船と列車を乗り継いでイタリア国境に近いルガノへ。イタリアに入りティラーノから赤い車体のベルニナ線でスイス戻りベルニナアルプスを臨むサンモリッツ。次は名峰マッターホルンを臨むツェルマットまで氷河特急にて8時間の旅。そしてフランスへ入りアルプス最高峰のモンブランを臨むシャモニーへ・・・と14日間かけてスイスをぐるっと一周いたしました。

実は出発前に調べていた天気予報では雨マークばかりで内心ドキドキしていましたが、実際行ってみると日程中半分以上が快晴!展望台へ登る度に真っ青な空が近くなり、3000m~4000m級の山々に積もる真っ白な雪とのコントラストに目線はしばらく釘付け。どの山も魅力的で優柔不断な私には展望台ベスト1は選べませんが、面白い経験ができたなと思うのはスイスからフランスへ国境を抜けた先にあるシャモニーでのこと。この街はスイスだけではなくイタリアとの国境沿いでもあります。

シャモニーのエギーユ・ドゥ・ミディ展望台は高さ3842m。ロープウェーを乗り継いで展望台まで向かいますが、僅か20分程で富士山よりも高い位置へのぼります。この展望台から目の前に見える4810mのモンブランも迫力満点ですが、もう一つ楽しみ方があります。それはイタリア国内にある高さ3462mのエルブロンネ展望台。実はエギーユ・ドゥ・ミディから3連ロープウェーを使って直接イタリア側の展望台へ渡れるのです。高さは勿論3000m超。眼下には銀白の世界が広がっています。

3連ロープウェー

このフランスからイタリアへの国境越え空中散歩は必ず毎回行ける訳ではありません。天候次第で、例え天気がよくても風が少しでも強ければすぐに運航中止になってしまいます。確率は五分五分。今回はラッキーな事に、ご希望者の方を皆様ご案内する事ができました。1台4人乗りの3連ロープウェーは人の乗降がある旅に空中でストップします。その瞬間は静寂。窓の外を見下ろせばとても小さくロープウェーの影が映っているのが見えます。窓は上部を開けることも出来るので、カメラ好きの方にはたまらない風景が広がっています。展望台間は片道30~40分。途中でいつの間にか国境を越え、到着した先は既にイタリアです。外のテラスに出てみると、エギーユ・ドゥ・ミディからとはまた違った角度のモンブラン、イタリア語名でモンテ・ビアンコが目の前に聳え立っています。記念にモンテビアンコ前で写真撮影。途中から風が強くなり始めてきたため、ロープウェーが止まってしまう前に帰ろうということになり、帰りの空中散歩も満喫しながらエルブロンネを後にしました。(日裏)

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2016年8月16日 (火)

1年の中で特に華やかな季節。初夏の美しい原風景が残るキジ島へ(ロシア)

先日、「キジ島も訪ねる、ロシア世界遺産紀行 10日間」より帰国致しました。

このツアーはタイトル通り、キジ島にも足を伸ばして、ロシアの木造建築の教会群を堪能致しました。
キジ島はサンクトペテルブルグの北東435kmにあるヨーロッパで第二位の大きさを誇るオネガ湖に浮かぶ島の一つ。フィンランドとの国境を接するカレリア共和国に属します。

1時間30分ほど水中翼船に乗り、ようやくキジ島に到着。さわやかなそよ風が吹き、雑草が揺れ、黄色や白、紫といった野花が一面咲き乱れる様子はまさに天国そのもの。

島自体が世界遺産だからなのか、ゴミ一つ落ちていない木道を進むと、葱坊主型ドームが可愛いプレオプラジェンスカヤ教会とポクローフスカヤ教会が見えてきました。釘を一本も使わずに作られた、木組みの美しさに言葉が出ません。

さらに歩みを進め、小高い丘の上で鐘の音色にしばらく酔いしれました。澄み渡った空気の中を鐘の音が響き、そよ風が吹く。そして正面に見える川辺の水は太陽の光に反射してキラキラ輝いていました。なんとも心地のよい時間を過ごしました。

キジ島

また、川辺にはピンク色のイワンチャイ(日本名:ヤナギラン)という可愛らしいお花が咲き乱れていました。あのイワン大帝の名を取って名付けられたお花だそうで、チャイという言葉はロシア語で「紅茶」を表します。野花一つみても紅茶を嗜む国民性を垣間見られました。
観光の最後には突然の雨に遭いましたが、雨上りの後には、きれいなアーチ型の虹が出現!
キジ島での時間は、ロシアの原風景に触れる、贅沢なひとときとなりました。
 
また、この時期は22:00を過ぎてもまだ明るく、サンクトペテルブルクでは白夜祭という音楽祭が行われています。今回はマリインスキー劇場にてバレエ『ジゼル』(主演:ディアナ・ヴィシニョーワ)を鑑賞致しました。本場のバレエに、鳴り止まない拍手。ホテルに帰ってからも胸の高鳴りが止みませんでした。

ジゼル

写真には残すことができない、いくつもの感動の瞬間に旅の醍醐味を感じました。(角田)

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2016年8月12日 (金)

歩いて感じた大自然!マウントロブソン州立公園(カナダ)

先日、「歩いて感じる大自然!カナディアンロッキー四大国立公園ハイキング9日間」より帰国しました。ツアータイトルの通り、計6回のハイキングを通してカナダの大自然を満喫する旅でした。特に印象に残ったハイキングは、マウントロブソン州立公園にてキニーレイクまで向かう片道約4kmのコースです。
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ハイキングの前に立ち寄ったビジターセンターにて、州立公園の名前にもなっているマウントロブソンが出迎えてくれました。高さ3954mのカナディアンロッキー最高峰、マウントロブソン。晴れていても頂上付近に雲がかかっている状態が多いのですが、幸運にも山全体を綺麗にみることができ、感激もひとしおでした。
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キニーレイクまでのハイキングは、比較的平坦な道で、スギやシダの森の中やロブソン川のそばを歩きます。道中では、インディアンペイントブラシやホタルブクロ、フウロソウ、オダマキ等々たくさんの花々に出会いました。美しい花々に魅了されながらゆっくりハイキングコースを進みます。植物のみならず、愛らしいアカリスにも遭遇しました。そうして辿りついたキニーレイクは言葉を失うほどの絶景。湖面に鏡のように映るホワイトホーン等の山々が本当に綺麗でした。この景色を見ながら食べるお弁当も格別!歩くからこそ感じられる自然の様々な表情に感動させられるばかりでした。山、花、湖…様々な自然の美しさは今も目に焼き付いています。(五島)

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2016年8月10日 (水)

空に浮かぶカラフルな傘のアーケード!アゲダの傘祭り(ポルトガル)

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先日、「ポルトガル・ハイライト9日間」のツアーから帰国致しました。今回の旅では、ポルトガルの北の港、ポートワインで有名なポルトに3連泊、城壁の中の小さな街オビドスに1泊、首都リスボンには2連泊し、ポルトガルの主要な観光地を巡りました。まさにポルトガルの王道ツアーなのですが、一ヵ所、一風変わった傘のお祭りにも足を運んできました。

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このお祭りは毎年7月から9月にかけて、アゲダというポルトガルの中部の小さな街で行われています。お祭りの由来はというと、傘にちなんだ物語があるわけではなく…町おこしの為の市長の思いつきだそう。今ではカラフルな傘の写真がフェイスブックやインスタグラムなどのSNSで盛んに取り上げられています。色鮮やかな数百もの傘が吊るされたアーケードはまさに圧巻!天気にも恵まれ、ポルトガルの青空にカラフルな傘が映えます。この時期、お昼の時間は気温が30度を超えますが、吊るされた傘は日よけにもなります。さらに、傘の色が道に映し出され、まるでステンドグラスのよう。私たちは平日に訪れましたが、たくさんの外国人観光客が訪れていました。町おこしは大成功のようです。(長田)

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2016年8月 9日 (火)

ロシア極北の聖地ソロヴェツキー諸島と白夜のムルマンスク

ロシア旅行、ロシアツアー
 先日、「ロシアの北極圏ムルマンスクと世界遺産ソロヴェツキー諸島 11日間」の添乗より帰国しました。サンクトペテルブルクから始まった旅は、まずは木造教会で有名なキジ島へ。金属の釘一本使われていない建築技術に驚嘆。ロシアの教会建築の特徴である“玉ネギ坊主”ですが、ヤマナラシ(日本ではポプラと同一視)の板が木製の楔で打ち付けられています。ヤマナラシで葺かれた屋根は、最初金色に、その後灰色、銀色に変色していきます。
 旅は続き、通常のロシアツアーでは訪れることも稀な、ペトロザボーツク以北へ足を踏み入れます。ヨーロッパ第二の大きさを誇るオネガ湖の北岸ポヴェネツでは白海バルト海運河最南の閘門、第一〜第四閘門(ポヴェネツ階段の一部)を見学。
ロシアツアー、ロシア旅行
 白海バルト海運河とは、1933年8月2日に開通した世界最長の運河で、湖や天然/人工の河川/運河を通り、白海とバルト海を繋いでいます。運河部分はオネガ湖のポヴェネツ湾から始まり、全長227km、19の閘門を経て白海に注ぎ込みます。運河建設は現代史において“悪名高い”第一次五カ年計画の成功の一例として示されました。1931年から33年までの20ヶ月で、ほぼ全て人力で建設。労働力は全て強制(矯正)労働。収容者(もちろん後述のソロヴェツキーから)に労働を課し、自分たちを「再教育」させるものとして、(大幅に体裁を繕って)作家や西側の知識人に公開されました。ゴーリキーや、バーナード・ショーなど著名人もプロパガンダに利用されました。
 運河最南の閘門を見たなら、もちろん最北の閘門も見に行きます。そこは運河の最北端でもあり、運河が白海に流れ込むベロモルスクの町。ベロモルスクとは正しく“白海の町”の意。
 そして2時間の船旅で白海を渡り、いよいよ本ツアーのハイライトの一つ、ソロヴェツキー島へ。世界遺産ソロヴェツキー修道院内へ入り、博物館、教会、僧坊、要塞の塔、運河、水車、監獄、独房、などを見学。ロシア正教の聖地にして鉄壁の要塞、ソ連強制収容所・ラーゲリ理論の実験場と、歴史に翻弄された島の光と闇を見ました。
 そして寝台列車に乗り辿り着いたのは、北緯68度58分北極圏最大の街ムルマンスク。訪れた7月半ばは1日中太陽が沈まない白夜の季節。世界最北の不凍港コラ湾で引退した世界最初の原子力砕氷船レーニンの内部観光をしたり、先住民サーミ人の村ではトナカイと触れ合ったりと、極北の地を満喫して参りました。(尾崎)
ムルマンスク、ソロヴェツキー諸島を訪れるツアーは12月上旬の発表です

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2016年8月 7日 (日)

絶景は自然による浄化が生み出した奇跡!ランペドゥーザ島(イタリア) その3

夜になったらランペドゥーザの繁華街ローマ通りへ足を運んでみましょう。昼間は閑散としている通りが、夜にはお祭りがあるのかな?と思わされるほど通りを埋め尽くす人・人・人。昼間はビーチで遊んでいた人たちが夜には島のわずか1kmほどのメインストリートへと繰り出してくるのです。通りにはレストラン、BAR、カフェ、ジェラート屋、お土産屋などが並んでいます。これらが夏の時期には24時まで(お店によっては24時を越えて)営業し、真夜中まで賑わっています。例外としてスーパーは20時に閉店しますのでご注意を。長期滞在で訪れる人が多いランペドゥーザならではなのは、メインストリート近辺に果物屋台をちらほら見かけること。

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みずみずしい桃、オレンジ、リンゴ、洋ナシ、スイカなどなど。野菜ではトマトを安く購入できるので滞在中に好きなものを1個づつ買ったりしてホテルの部屋で食べるというのも楽しみの一つになるでしょう。他にはウミガメ保護センターや小さな小さな美術館も町中心から徒歩圏内にあります。

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混み合っていてかつ騒々しい海ではなく、混んでいても騒々しくない美しいビーチでゆったりとした時間を満喫し、宝石のような海を鑑賞できる場所としてランペドゥーザ島はお勧めです。私自身も、ここに一週間滞在して、あくせくせず朝は遅めに起き、昼近くからのんびりビーチで過ごし、夜にはレストランで新鮮な魚料理を楽しむ、なんていう時間を過ごしたい!と思いました(個人的には、綺麗な海がある賑やかなハワイに行くより、穏やかな時間が流れるこっちがいいなと)。「島の過ごしやすい時期は10月までいいわよ~、ヴァカンスの時期を過ぎたら空いてくるし、まだ泳ぐにもまだいい海水の温度(20~25℃)よ。欧米のひとなら12月までは海に入ってるわよ~。1・2月はオフシーズンね」とランペドゥーザのホテルマネージャーさんが話してくれましたので、いずれちょっとヴァカンスの時期を外して再訪してみるのもいいなぁと思わされました。

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世界の絶景で有名なランペドゥーザ島は、絶景だけが見所ではない、のんびりとした素敵な時間と雰囲気と発見がある島でした。(高橋)

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2016年8月 6日 (土)

絶景は自然による浄化が生み出した奇跡!ランペドゥーザ島(イタリア) その2

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ランペドゥーザ島の海が綺麗であるのにはいくつかの理由があります。
おおまかに挙げると1)島に川がないこと、2)海に海綿が多く生息していること、3)石灰岩質の地質の島であること。日本では海に行くと海の匂いである磯の香りがしますが、ランペドゥーザ島やシチリア島などの海ではその磯の香りなるものがしません。なぜなら磯の香り=海藻の匂いだからです。森から川を経て栄養分が海へと流れるとその栄養分で海藻が育ちますが、川のない島周辺では、その海藻が生息しないので、磯の匂いがせず、またその海藻で海が濁ることもありません。
ランペドゥーザの海にはたくさんの海綿とポシドニアという植物(藻ではない)が生息していますが、海綿は水の汚れとなるような微生物を食べてくれるので水質を浄化してくれ、ポシドニアも水を浄化してくれる働きをしてくれます。さらに石灰岩質の島から海にこぼれる石灰岩の粉は、石灰が持つ浄化作用(脱臭・殺菌・汚泥処理)をしてくれ、水を綺麗にします。このようなもともとの自然環境と自然による浄化作用が重なりあって絶景ともいえる美しい海が生み出されているのです!
そして、透明度の高い海に加えて、海底が砕けた石灰岩の粉によって白くなり、そこに船の影が映るので、かの有名な“ボートが飛んでいるように見える”、というわけなのです。
 
この美しい海を楽しむためのアクティビティとしては遊泳できるビーチへ行くのも挙げられます。ビーチは島の様々な場所にありますが、空港がある町に一番近いグイッチャ・ビーチも素晴らしい絶景!といえる海の色をしています。町から歩いていくには少し遠すぎる(徒歩30分くらい?)ので、公共バスかタクシー、レンタルバイクなどで行く必要があります。しかしランペドゥーザ島に来たのなら是非行っていただきたいのは「ラビット・ビーチ」です。

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ラビット・ビーチは、世界の美しいビーチで常に上位に入っています(世界一になった実績もあり)。ここはウミガメが産卵にも訪れる浜辺でもあるので自然保護区になっており、ビーチに入れる時間も決まっています。ビーチには日本のような飲食を販売する海の家やシャワー室、更衣室、大音量で流れる音楽など一切ありません。ただ浜辺があるだけです。そこに各自で持ち寄った敷物やタオル、パラソルを設置します。不便だなと思うかもしれませんが、訪れてみるとそれも納得させられる純粋に美しい海が広がっています。ここへは町から車などで約15分の距離です。車やバスの車道から浜辺までは片道15~20分ほど歩く必要があり、往路は下り、復路はのぼりです。大変な行程と思われますがビーチに近づくと、上から眺める海やビーチの美しさを眺められる展望所がありますので、その光景を見るだけでも、ビーチで泳がない方も行ってみる価値はあります。ビーチでは、遠くまで泳いで行かずとも、浜辺に近い場所で魚を見ることも出来ますので、泳がない方も、少しズボンの裾をめくって海に入られることをお勧めします。 (高橋)

その3へつづく

ランペドゥーザ島ツアー特集はこちら

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2016年8月 5日 (金)

絶景は自然による浄化が生み出した奇跡!ランペドゥーザ島(イタリア) その1

7/17発「イタリア最南端の楽園、ランペドゥーザ島とシチリアの休日8日間」の添乗に行って参りました。
「絶景」という単語を一躍世に広めた『死ぬまでに行きたい! 世界の絶景』シリーズ、「ランペドゥーザ島」はまさにその「絶景」の代名詞です。今やかなり有名になりましたが、それでもまだ現地の情報などが手に入りにくく「船が飛んでいるようにみえる場所」というフレーズから“目の錯覚を楽しめる場所”のようなイメージです。しかし、ランペドゥーザ島は船が浮いているように見えるほど美しい“海”があってこそであり、その海自体が見どころでもあるのです。その美しい海による魔法によって、海面から飛び立つ船を目の当たりにして愉しみ、その美しさに吸い込まれるように海へ飛び込み、照りつける太陽の暑さと海水の冷たさが見事に心地よさへと変わっていくのを感じながら楽しめる場所です。

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ランペドゥーザ島は、ひとことで言ってしまえば“非常に美しい海がある島”ですけれども、その海の美しさ、綺麗さは世界でも類を見ないもの。なかなか文章や言葉では表しにくいのですが、例えばナポリ近郊の青の洞窟でみる綺麗な色の海でも、洞窟クルーズ中にそこで泳ぎたいという気持ちにはなりませんが、ランペドゥーザ島の海の美しさは、この海に飛び込みたい!という海に吸い寄せられる衝動が溢れてくる魅惑的な美しさなのです。ボートクルーズ中に海を覗き込むと海底まで見える透明度。光の加減や、覗き込む方向、海底に生える植物(ポシドニア)の上かどうかで変わる水面の色は、薄いエメラルドグリーン、トルコブルー、サファイアブルーとまるで宝石のよう。変化する水面の色に、いま自分がいる世界が楽園のように錯覚してしまいます。

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透き通る海のなかには魚も泳いでいます。海に入ってゴーグルやシュノーケルをつけて海の中を覗き込むと、群れで泳ぐ魚たちが手に届きそうなところにいます。魚はカラフルな熱帯魚ではなく、日本の食卓にお馴染みの銀色(青魚?)ですが、透明度の高い海の中を泳いでいる魚たちは海の色に溶け込んでいるようにも見え、さらに海面から差し込む太陽光でキラキラと輝く姿はとても神秘的です。(高橋)

その2へつづく

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2016年8月 4日 (木)

エストニア、タリンで中世にタイムスリップ!(バルト三国)

タリン中世祭

先日、「バルト三国とサンクトペテルブルグ10日間」から帰国致しました。今回はエストニア、タリンで中世祭が行われていました。デンマーク人の城という意味もあるタリンはデンマークの支配下のもと町として成立し、その後ドイツ騎士団によって占領、繁栄しました。タリンの旧市街の中で行われる中世祭では、パレードが行われたり、広場では昔ながらの作り方などで作られた手作りの雑貨などが並びます。パレードに出る人達は中世の衣装に身を包み広場に現れます。観客も大盛り上がり、私達も何を言っているか分かりませんが周りに合わせて掛け声をします。今回行われたのは馬上のパレードと中世時代の再現劇でした。
この広場は処刑場としても使われ、罰の場として使われていました。中世では小さな罪でも罰せられたそうで、例えばたいていの女性が好きな噂話や人のことを悪く言っているのがばれると、自分が言った言葉が書かれた板を首から下げ、この広場を一周させられたのだそうです。今では考えることが出来ないような罰し方ですが、ガイドさんの話では、小さな町だから、罰せられると町全員に知られてしまうし、効果的だったのでは、とのこと。なるほどと納得すると共に、ついついしてしまう噂話もほどほどにしようと反省しました。他にもバルト三国では、世界遺産に登録されている旧市街があったり、あまり派手ではないですが綺麗な街並みで何だかほっこりするようなツアーでした。(竜崎)

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2016年8月 3日 (水)

ハプスブルク家御用達?創業1569年の老舗パン屋さん

先日、「オーストリア世界遺産と湖水地方の旅13日間」から帰国しました。湖水地方の小さな町から、ウィーンの大都市まで、オーストリアの見所がつまったツアーになっています。オーストリアはウィーンのイメージが強すぎて、次に大きな都市は?と聞かれて、ピンとくる人は少ないと思います。そんなオーストリアで第2の都市といわれるのが、ウィーンの南西約200㎞のところにある、グラーツです。

オーストリア、グラーツ、シュロスベルク

グラーツはオーストリアでウィーンに次ぐ、第2の規模を誇る都市。赤瓦の屋根が目を引く、中世の面影が残る街並みで、1999年に世界遺産に登録されました。グラーツという語源は「小さな城」や「砦」を意味するグラデツというスラヴ語からきているそう。シュロスベルク(城塞)にある、28m程の時計塔はこの街のシンボルとなっています。そこからは街に流れるムーア川、そしてルネサンス、バロック、ゴシックと時代ごとに異なった様々建築がうまく保存、調和している素晴らしい眺めを楽しむことができます。
グラーツには、大学が5つあり、学生の街としても知られ、若者が多く、おしゃれなカフェや流行にのった最先端のお店も数多い。最近では、現代建築の美術館も建てられ、モダンな一面も見せています。
 
このグラーツの街で、最古のパン屋といわれるのが、旧市街の中心、ハウプト広場の近くにある「Edegger-Tax(エーデッガー・タックス)」という宮廷ご用達のパン屋さん。創業1569年ですが、14世紀には既にパン屋さんとしてオープンしていたともいわれる、老舗中の老舗。現代のオーナーは8代目にあたるそうです。入口には神聖ローマ帝国、ハプスブルク家の紋章ともなった、金色に輝く、双頭の鷲が。1883年、ハプスブルク帝国の皇帝フランツ・ヨーゼフ1世のグラーツに滞在した際、パンを献上し、以来王家の食卓へパンを供給し続けたと言われています。

エーデッガー・タックス、グラーツ

落ち着いた店内では、可愛らしい店員さんが笑顔で出迎えてくれ、ショーケースの中には美味しそうなパンやケーキがたくさん!一口サイズのかぼちゃクッキーやマカロンもあり、お土産にもぴったり。実はこのお店は初の海外支店として、2015年9月に東京の神田にお店をオープンさせているのです。残念ながら、現在は閉まっており、ウィーン伝統菓子の専門店「Neues(ノイエス)」というお店と統合して、新たなお店が今後できるようです。
店内の穏やかな雰囲気と美味しそうなお菓子やパンに囲まれていると、ついつい長く滞在してしまいます・・・
 
街全体が世界遺産に登録され、ハプスブルク家とも深い関わりを持つ、グラーツの街。街の散策に疲れたら、このパン屋さんに休憩がてら、是非入ってみては?(荒川)

ユーラシア旅行社で行く、オーストリアツアーはこちら

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2016年8月 2日 (火)

ドロミテの魅力を凝縮した、ガイスラー山塊のふもとへ!(イタリア・ドロミテ)

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先日、「ドロミテ山塊とオーバーグルグル10日間」より帰国致しました。
このツアーはイタリアのヴェネチア空港から始まり、ドロミテ山塊のコルティナ・ダンペッツォから雄大な雪山を眺めながらドロミテ街道を走り、オーストリアのオーバーグルグルや高級リゾート地ザンクト・アントンなど美しいチロル地方の山間村を巡るコースで、以前、スイスでハイキングを楽しまれた方、イタリアやオーストリアでもハイキングをしたいという方におすすめのコースです。

世界自然遺産に登録されているドロミテ山塊といえばコルティナ・ダンペッツオを中心とした東側の地域に焦点があてられがちですが、今回はまだまだ、日本人にはあまり知られていないドロミテの西北側に位置するガイスラー山塊のふもとをハイキングしてきました。

ドロミテ山塊は約2億4000万年前、海で覆われ、微生物、珊瑚、貝殻等が数千メートルの厚い堆積物の層をなしていました。そして、約6,550万年前アフリカ大陸とヨーロッパ大陸が衝突し、海底堆積物と地殻が押されて地上2,000~3,000メートルまで隆起した後、覆われた氷河が後退していく過程で、岩塊の表面を削り、大気浸食により、岩塊は垂直方向に裂け、岩肌がむき出し、天を突くように岩塔が連なり、切り立った岩や峰、そそり立つ岩壁が特徴的な現在の姿が形成されました。
ガイスラー山塊は、真っ青な空に突き刺すように聳えたつ姿だけでなく、ハイキングコースの途中にアンモナイトの化石が発見できるなどまさに、ドロミテの成り立ちを凝縮したかのような名峰です。

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序盤はガイスラー山塊を遠目に見つつ、山腹に広がる森林や歩けば歩くほど新しい高山植物が見つかる緑豊かな牧草地、そして、そこに放牧された牛や馬たち。まるで、おとぎ話に出てくるようなのどかな風景を楽しみます。我を忘れて写真を撮っていると歩くペースがゆっくりになってしまうのもご愛敬。
そして、ハイキングも中盤に差し掛かり、ガイスラー山塊のふもとを歩いていくと、先ほどまで見えていた勇ましさの中にどこか優しげな雰囲気ではなく、真っ青な空に突き刺すように聳えたつ雄々しいドロマイトの岩峰が圧倒的な大きさと迫力で間近に見え暫し圧倒されてしまいます。
最後に、ふもとを離れ、おしゃれな食事が出てくる山小屋でご昼食。山小屋からは、歩いてきた者だけに許される極上の眺望が広がります。その眺望を見ながら食事、午後のハイキングも至極の眺望を見ながらハイキングを楽しみます。

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ドロミテ山塊は見る角度、時間、天候によって様々に変化し、飽きることがないといいますが、まるでおとぎ話に出てくるような光景がいつまでも終わらないでほしいと切実に思う至福なハイキングコースでした。(三浦)

>>>ユーラシア旅行社のドロミテツアーの魅力はこちら

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