ルーマニアの祝日、聖母マリア被昇天祭
先日、「ルーマニアとリラの僧院夢紀行 10日間」のツアーより帰国致しました。
ルーマニアにも日本と同様に祝祭日がございますが、ルーマニア請求を信仰している国でありますので、クリスマス、復活祭など、キリスト教関連の祝祭日が多く占めてきます。そして毎年8月15日は「聖母マリア被昇天祭」。聖母マリアがその人生の終わりに、肉体と霊魂を伴って天国にあげられたというこの日には、各教会で大々的にミサが行われます。
今回のツアーでこの日の観光は、ルーマニア北部の奥地で位置し、素朴な雰囲気が今なお残るマラムレシュ地方でした。まずは墓標に故人の生前の職業や生活がユーモアたっぷりに描かれたという、サプンツァの陽気なお墓へ行きましたが、このお墓には教会が隣接されており、ちょうどミサが行われていました。ただまだ早い時間(午前9時ごろ)だったせいか、ミサに来ていたのはほとんどお年を召した方たちでした。どうやら若い人たちは朝ゆっくり起きてから、これからのんびりと教会へ向かうとのこと。日本の田舎と同じような光景だなと思ったのは私だけでしょうか。
その後サプンツァを後にして、東に位置するボグダンヴォーダへ。到着したのは午前11時ごろ。ここでは本来マラムレシュ地方の特徴でもある木造教会を見学することになっていたのですが、現在使われているのはその隣にあるコンクリート製の新しい教会で、やはりここでもミサが行われていました。さすがにこの時間になると、様々な年代の方々が来ていましたが、私たちもしばらくの間ミサを見学しました。ただミサもさることながら、私たちが気になったのは、ここに来ていた女の子たちの白地をベースにしたかわいらしい民族衣装でした(白は聖母マリアの象徴の色)。ミサの途中でありましたが、私たちが写真を撮ってもいいか尋ねると、気軽にポーズをとってくれました。しばらくミサを見学した後、本来の目的である木造教会へ移動しました。普段はもう教会としては使われていないので、中に入ることができず外観のみの見学となりますが、なんと司祭さんが今日は祝日だから特別にということで、なんと鍵を開けてくれて中に入らせてくれました(写真撮影は禁止でしたが)。一歩足を踏み入れると、壁に描かれたイコンがきれいに残されていました。18世紀に建立された教会だそうですが、現在使われていないにもかかわらずこれだけきれいに保存されているのは、地元の人の信仰心がそうさせているのだと改めて思いました。
実はこの日の観光の予定はこれで終わりで、あとは昼食をとってから、さらに東のブコヴィナ地方へ移動するだけでしたが、近くにあるモイセイ村というところに「聖母マリア教会」があり、ここで大規模なミサがあるということなので、そちらにも行ってみることに。私たちは村の入口の駐車場でバスを下りて、ここから教会までは歩いていくことに。地元の人の話では徒歩20~30分とのこと。私たちは舗装はされているものの、くねくねした山道を歩き教会を目指しましたが、30分歩いても教会に着く気配はない。「本当に教会はあるのだろうか?」と思いながら歩き続けると、歌声らしきものが聞こえてきました。「よし、教会は近づいている!」とはりきりながら歩を進めること10分後に教会に到着。ちょうどミサが終わるころで、各村の集落の団体ごとに旗や聖母マリアの肖像画を持ち、歌いながら教会から出てくるところを見ることができました。そしてここでも民族衣装を着た女の子たちがいて、やはり写真を撮ってもいいかお願いすると、気軽にOKの返事が。そして私たち日本人が珍しいせいか、こちらもいろいろと質問攻めにあいました。こうして1年に1回の特別な行事を目の当たりにして満足した私たちは軽い足取りで駐車場は帰っていったのでありました。(斉藤信)
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