秋の高山祭(八幡祭)に行ってきました
先日、「秋の高山祭と長良川鵜飼、郡上八幡 3日間」の旅にいってきました。
毎年10月9日・10日に開催される高山祭は、江戸時代に制作された屋台が主役です。
漆や金箔も施した重要文化財の屋台は雨に弱いため、出発前の雨予報に最悪の事態も想定しつつ出発しましたが、雨は9日の明け方までに降りきり、少々開始が遅れたものの、無事にお祭りは催され、壮麗な屋台を見学することができました。
岐阜県飛騨地方の高山は木材と地下資源が豊富、加賀を睨む立地にあり、江戸時代には幕府の直轄地となりました。
幕府に代々この町を収めた金森氏が追われた頃、春の山王祭、秋の八幡祭の祭り行列に贅を尽くした屋台が登場するようになりました。
豊作を願い感謝する農民の祭りに町人の粋が詰まった屋台が加わり、今では、高山祭は全国的にも有名な祭りです。
現在高山祭には11の屋台があり、春秋それぞれ6つの屋台が登場します。
秋の祭りではこのうちの1つ布袋台がからくり屋台で
江戸時代の最先端技術を施したからくりが今も現役で動きます。
6人の黒子が糸を操り布袋と唐子(からこ)とよばれる小さな2体の人形を動かしますが、
唐子は雲梯をくるくると飛び移ります。
遠くから見ても近くから見てもその仕組みがわからず、江戸時代の職人の技、
これを保存してきた人々の努力、そして今なお動かし続ける現代に受け継がれた術にただただ感心してしまいました。
何台もの屋台が八幡宮の参道に並ぶ様は圧巻ですが、各町の蔵からここまで移動させるところも見ものです。車輪は2対ですから、祭囃子を載せたまま狭い路地を曲がるのは大変!
重い屋台を男性たちが梃で少し浮かせて【戻し車】(車輪に対し垂直方向に向いた車輪)を下ろし、本体の車輪を浮かせたまま屋台を回転させます。
近年では、路地にかかる電線もあり、屋台の屋根飾りの形状によっては接触することも。
屋台の上に上がり、電線を避けながら回転の指示をする男性も見え、繊細で力強い祭りの真骨頂を見た気がしました。
(山岸)
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