巡礼路のおもてなし(北スペイン)
10/6発「聖地サンティアゴへのラスト100kmを歩く14日間」に行ってきました。巡礼歩き中、10月の気温は、朝6~10℃、日中15~22℃と通年の日本でいう11月ごろの気温でした。数字だけ見ると寒そうだな、と思われる最低気温も歩き始めるとポカポカしだすのでダウンやフリースの出番はほとんどありませんでした。巡礼路は、山中、林道、車道沿い、民家沿い、村の中と様々。道はしっかり整備されており、また道中適度な間隔で村や巡礼者を休めてくれるバール、カフェ・レストラン、巡礼宿などがありました。特に巡礼歩き中にたびたびお世話になるのはトイレ休憩となるバールやカフェ・レストラン。ほとんどのバールやカフェはこじんまりしたもので、休憩する巡礼者で混雑していました。ひっきりなしに注文が相次ぐ狭いカウンターには1人か2人くらいの少人数スタッフで対応。忙しそうなのに、それを感じさせず、さりげない注文を聞く言葉から柔らかさを感じました。レストランでは、忙しそうに料理を運ぶのにどこか笑顔だったり、巡礼者の人と会話をするスタッフの姿を見かけることも。さまざまな国からやってきた巡礼者たちに道中の情報を教えていたり、何気ない会話を楽しんでいたりで賑やかなレストランもありました。スペインでは日曜は普通お店など休みになるものですが、巡礼路沿いのバールやカフェ、巡礼者が休息する街のスーパーは開いていて迎えてくれました。
巡礼路は、道自体の整備以外に分帰路には矢印やモホンというサンティアゴまでのキロ数表記+道しるべとなる石が設置され、とても歩きやすい道でした。そうした道も当然にしてできたわけではなく、巡礼者の為にと道の整備や道しるべを設置する働きをしてくれた人がいたからこそのもので、この歩きやすい道もそうした地元の人の思いやりからできているものだと思いながら、歩を進めながら、遠い過去から現在に至るまで巡礼者を見守り、支えてくれる人たちに感謝の気持ちが湧き出てきました。
秋を思わせる光景は山中の栗の木がたくさん実をつけ、道に落ちていました。林檎やイチジクの木、ベリーも実を付け、道中でよく見かけました。もやがかかる朝方のひんやりした空気の中、ユーカリ並木を歩くとユーカリの成分を含んだ霧のなかでの深呼吸は最高のアロマでした。
巡礼路を歩いて、現在と過去の現地の人達と自然から、たくさんのおもてなしを受けてきました。さりげないことでも人を迎え入れる気持ちをもって、接してくれる。それだけで心温まる十分なおもてなしだと思わされた巡礼歩きでした。
| 固定リンク
「西欧・南欧情報」カテゴリの記事
- 素朴なシチリアを知る。名画の舞台チェファルーへ(2017.12.22)
- モナ・リザだけじゃない、ヴィンチ村のレオナルドさん(2017.12.20)
- バスクといえば美食だけ?(スペイン)(2017.12.14)
- トリュフ市は大賑わい!美食のピエモンテ州への旅(イタリア/トリノ)(2017.12.12)
- モンタルチーノでつぐみ祭!(イタリア)(2017.12.01)
コメント