秋深まるルーマニア!伝統が息づくマラムレシュ地方にて
先日、「フォークロアの郷、ルーマニア紀行 10日間」の添乗より帰国致しました。
ルーマニアでは、木々も色付き始め、すっかり秋が深まりつつあります。日本の紅葉といえば、真っ赤なモミジを想像されるかと思いますが、ルーマニアでは赤や黄色、橙色といった多色に染まります。このツアーでは、カルパチア山脈やトランシルヴァニア山脈がそびえる起伏に飛んだ国土を南はブカレスト、北はウクライナ国境近くのサプンツァの村まで、国土をぐるりとバスで巡ります。秋だからこそお楽しみ頂ける黄金色に輝く“黄葉ドライブ”も旅の醍醐味と言えるでしょう。
その中でも旅の中盤で訪れた「マラムレシュ地方」では、古き良きヨーロッパを感じさせるという観点からヨーロッパ内でも注目されています。ルーマニアは元々イタリアやスペインといったラテン系の民族の国ですが(ルーマニア語もイタリア語にそっくり!)、歴史の波に飲まれ、ドイツ系の住民やハンガリー系の住民、ジプシー(ロマ)など多様な民族が現在も住んでいます。そのため、家の材質や街並み、言語、宗教、生活などは村によって様々ですが、このマラムレシュ地方の村々は生粋のルーマニア人しか住んでいないため、昔ながらの素朴な伝統や暮らしが今なお息づいています。
この伝統を身近に感じられるのは、日曜日のミサです。村人たちは、民族衣装を身に付け教会へ集います。各国共通かもしれませんが、年配の方を大切にするという習慣から年配の方は教会の中で、若者は教会の外で祈りを捧げます。ミサは大体10時頃から始まるのですが、村人たちは朝から何も口にしません。ミサを終えて、清やかになった身体にパンとワインを口に入れた後、家路について、ようやく最初のお食事をとります。
ミサの日は働き者の村人たちは、お仕事はお休み。お食事の後は、家の門のベンチで日向ぼっこです。彼らは電気は生活に必要ないと考えるため、まだ明るいうちに夕食を食べ、月曜日からのお仕事に備え、暗くなる頃には床に就きます。
またマラムレシュ地方の特徴は、素材はすべて木でできていることです。特にモミの木が多く使用され、家や門、教会など昔からの建築物は木で造られています。ルーマニアではルーマニア正教という東方正教会を信仰しているため、なんと教会内部のイコノスタスも木の板に直接描かれています。また、教会内部に敷き詰められた華やかな羊毛の敷物や壁飾りもすべて村人のお手製です。
今ルーマニアでは、自給自足の生活や古き良き習慣を見直すことで、農村回帰の傾向にあるそうです。
少しずつですが、マラムレシュ地方も文明の発展に伴い、便利になった一方で、だんだんと教会は木造ではなくなり、家も石造りに変わり、若者も民族衣装から普通の洋服を着て生活するようになっています。いつまでもこの伝統を途絶えさせることなく、次の世代に受け継いでほしいと切に願います。(角田)
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