2016年11月30日 (水)

鉛色の空、鈍色(にびいろ)の海(長崎・五島列島)

先日長崎の「五島列島・巡礼の旅4日間」から帰ってきました。
長崎は安土桃山から江戸時代にかけての250年間の長きに渡り、島原、天草と共に凄まじいキリシタン弾圧の嵐が吹き荒れた場所です。鎖国時代が終わり、明治時代になってからようやくキリスト教信仰が認められ、島の人々は貧しいながらも漁で得た僅かな金を持ち寄り、手作り感溢れる教会を各地に建て始めました。
決して規模は大きくありませんが、日本らしく瓦屋根の木造りであったり、立派に石を積み上げた教会もあれば、優しいパステルカラーで特産の椿や桜の花びらを天井やステンドグラスに描いた教会もありました。
今回の旅では五島列島を小舟で、時にはローカル路線バスを貸切って小さな教会を巡ってきました。
水辺に映る姿が白鳥のような中ノ浦教会
自身がキリスト教徒でもあった遠藤周作はこの五島列島を舞台に、あの怖ろしくて、暗い、悍ましい弾圧の時代に生きた日本人キリシタン達と命懸けで日本に渡って来た司祭を主人公に小説「沈黙」を描きました。主人公のポルトガル人司祭と日本人キリシタンのキチジローの苦悩を通して、真の信仰とは何かと問いた、深いテーマの物語です。実はこの小説、最近ハリウッドで映画化され、2017年1月に公開予定です。「シンドラーのリスト」で主人公を務めたリーアム・ニーソンさんや日本からは窪塚洋介さん、浅野忠信さん、イッセー尾形さんといった俳優陣も出演しています。
小説の中で遠藤周作はあの暗く、恐ろしい時代を表す為に五島の自然を「鉛色の空」、「鈍色の海」と描写しています。あまり聞き慣れませんが「鈍色」とは濃い灰色だそうです。
その小説を読んだ後で島を訪れたので、勝手に「西の果てにある曇天の薄暗い島々」をイメージしていましたが、実際に私が目にした島の風景は全く異なっていました。空き晴れの澄んだ青空からは明るい陽光が降り注ぎ、島は深い緑色の森に覆われいます。海面がキラキラと輝く穏やかな入り江と小さな漁村がいくつも点在している風光明媚な島でした。
そして今回の旅で一番印象的だったのが教会のミサです。
たまたま宿泊した宿のそばに教会があり、ちょうど日曜日の朝にゆとりがあったので教会を少し覗きました。山中にひっそりと佇んでいるような教会でしたが、ミサの時間になると地元の人々が自然と集まり、あっという間に小さな堂内は参列者でいっぱいになりました。女性達は伝統のベールを被っています。信者たちを導く司祭の静かな祈りの声。透き通った清らかな聖歌が堂内に響きます。
長く恐ろしい暗黒時代もくぐり抜けた信仰。
司祭や神父がいなくても、村人達が伝え守ってきた神様の教え。
何気無い日曜のミサで純粋な信仰心を垣間見たような気がしました。(上田)

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コメント

私も是非行ってみたい場所です。季節はいつがいいでしょうか?

投稿: 黒川誠子 | 2016年12月 5日 (月) 15時38分

黒川誠子様 コメントありがとうございます。
五島列島には、季節ごとに様々な魅力があります。ご参考になさって下さい。
・2月下旬:椿の季節
・5月中旬:蛍の季節
・12月上旬:クリスマスイルミネーションの季節
信徒さんの温もりと美味しい料理は、どの季節に訪れて頂いても、たっぷりと味わうことが出来ます。ご参加お待ちしております。

投稿: ユーラシア旅行社 | 2016年12月 5日 (月) 16時53分

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