2016年11月10日 (木)

スペインにあってスペインに非ず、モロッコにあってモロッコに非ず、それはどこ? 地中海沿岸の飛び地を巡る。

先日、「地中海飛び地紀行 9日間」のツアーから帰国しました。
どこの国に行ったかと問われると一言で返答しにくい旅です。
国はスペイン、英国、モロッコの3か国。
けれど、普通の人がイメージする都市はおそらくないでしょう。
旅はまずマラガからスタート。
アンダルシアの太陽海岸の街です。
しかし、アンダルシアの都市は1か所も訪れず、ジブラルタルへ向かいました。
国境が近づくと渋滞です。
ジブラルタルはアンダルシアにある英国の飛び地です。
タックスフリーの都市ですので、スペイン人の多くは買い物に出かけます。
そして1万人のスペイン人が出勤しますので、大渋滞必至です。
ジブラルタルはスペイン人の雇用先でもあります。
街中にはダブルデッカーや赤い電話ボックスがあり英国の雰囲気。
ジブラルタルは英国領になって約300年。地中海の要衝にあり、軍事上・海上交通上、重要な地ですので、スペインは返還を求めていますが、英国には返す気はなさそうです。
タリク山には猿が棲息していて、この猿がいる限り英国支配が続くと言われています。
この日も猿たち元気に駆け回っていましたので、すぐにスペインに返還されることはなさそうです!?

ジブラルタルの猿

ジブラルタルからアルヘシラスへはバスで30分。
アルヘシラスの港の出入国管理所でスペインを出国。
ジブラルタル海峡をフェリーで渡り、モロッコへ向かいます。
モロッコへの入国は船内のダイニングルームで手続。
雨のため、少し遅延しましたが、約15kmの海峡を2時間弱で渡りました。
気分はイブン・バトゥータよろしく冒険家です。
タンジェについてからはバスでシャウエンへ移動し宿泊。
シャウエンは青い街として最近、人気がでてきました。
その後はセウタへ向かいます。
セウタはモロッコにあるスペインの飛び地。
出入国管理所で手続し、200mほどの不干渉地帯をスーツケースを転がして国境越え。
セウタは15世紀にポルトガルが侵攻・支配した地です。
しかし、カトリック両王時代にスペイン王がポルトガル王を兼務したことから、支配はスペインに移りました。その後、ポルトガルが独立した際に、ポルトガルがセウタ支配を放棄したり、セウタの住民投票でスペイン支配が指示されたことから、今のスペイン領時代に至ります。
セウタではスペインの物資が免税で買えます。
そのため、毎日、モロッコから買い出しの人達が大勢やってきます。
大きなビニール袋を担いで行き来するモロッコの人達で、国境はごった返していました。

セウタからモロッコへの国境

次に向かったのは、セウタからさらに東の海岸にあるメリリャ。
ここもまたスペイン領です。
モロッコの西側はポルトガルの支配が進んでいましたので、スペインはメリリャから東へ向かって侵攻を続けました。
アルジェリアまで侵攻しましたが、フランスに押し戻されてメリリャまで退却。
しかしメリリャは死守し、今に至ります。
町は15世紀の旧市街と、19世紀以降の新市街に分かれます。
新市街にはバルセロナ出身のモデルニスモ様式の建築家エンリケ・ニエトによる壮麗な建築物が点在しています。
まるでプチ・バルセロナの様相です。

メリリャのモデルニスモ建築

ここで出会ったメリリャ在住の男性はヘビースモーカー。
タバコ一箱は2ユーロ程だそうで、安いから止められないのだそう。
メリリャからモロッコへは、また陸路を歩いて国境越えです。
モロッコからセウタやメリリャに密入国する人は後を絶ちません。
現在は国境の不干渉地帯は2重の鉄条網が巡らされていますが、海を泳げは簡単に密入国できるそうです。
スペインに入りさえすれば、その先のヨーロッパ本土は近くなります。
アフリカにあるモロッコの人達にとっては、「憧れのヨーロッパ」の玄関です。
その為、モロッコはスペインに返還を求めていますが、近隣の住民にとっては近くにヨーロッパがある方が便利なようで、やはり返還の日が早期にやってくることはなさそうです。
 
メリリャを後にし、モロッコ東部のウジダまでは、アルジェリアの国境沿いにバスで移動。
アルジェリアから密輸したガソリンを、定価の半額くらいでポリ容器に入れて道端で売っています。
危ないんじゃないかと思いましたが、至るところで売っているので、そのうち慣れてきました。
ウジダは国際都市。
流通の基点ともなる町で、思いの外、開けていました。
大学生くらいの女性二人がやってきて、流暢な英語で写真を撮ってと頼まれました。
記念に私も二人の写真を撮りました。
その後は、ウジダからカサブランカを経由して日本へ帰国。
ちょっと変わった飛び地の町を巡ってきました。(斎藤さ)

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