紅葉の白神山地でブナの森について学ぶ
白神山地は青森県と山形県にまたがるブナの原生林の地域で、1993年、九州の屋久島とともに、日本で初めて世界自然遺産に登録されました。そのきっかけは、地元の人々による林道建設反対運動だったそうです。当時、ただ反対するだけでは説得力が無いという事で、地質や植生など様々な方面の調査を依頼したそうです。その結果、人の影響をほとんど受けていないブナの原生林の規模が世界最大級だという事がわかり、そこに生きる動植物の生態系も守るべきものとみなされ、林道の建設も中止となり世界遺産登録に至ったのです。
ブナは他の木に比べて成長が遅く、樹齢100年の木でも40cmほどの太さしかありません。条件によって成長度合いも違うので樹齢ははっきりとは分かりませんが、表面に地衣植物がついている木は立派な大人の木だそうです。ブナは大木ですが、木の実はとても小さいです。ガイドさんが固い殻を割って中の実を見せてくれました。これを体の大きな熊がひとつずつ拾って食べているのかと思うと足りるのかな?と思ってしまいます。食べてみるとしっとりとした濃厚なクルミのような味。高カロリーで冬眠前の熊や他の動物たちにとっての大切な栄養になるそうです。6~7年に一度しか実をつけません、今年は実をつけない木が多かったので、熊が餌をさがして里に下りて来た!という目撃情報が多いようです。
ブナは木の上の方に枝と葉をつけるので、山の中なのに明るく見晴しが良く、広々としています。葉は秋になると黄色くなり、日の光を受けてキラキラと輝き、とても綺麗です。
今年はいつもより暖かく紅葉が始まるのが遅かったそうです。ツアー初日に新青森駅に到着した日の紅葉はまだ色付き始めたばかりという印象でしたが、バスの移動の度に目にする岩木山は日を追うごとに色付いていくのが感じられました。
ガイドさんは毎日のように森に入りますが、時間、天候、気温、植物の変化など、いつ見ても様子が違い、一度でも同じ景色は無いと言っていました。
ところで、紅葉の綺麗な白神山地のガイドさんの所にも旅行会社から紅葉ツアーのパンフレットが届くそうです。白神ではすっかり紅葉シーズンの終わった12月頃に「京都の紅葉を見に行きませんか?」と。ガイドさんは「白神の紅葉が一番綺麗だと思っているけど、他にも綺麗な場所があるなら見たいよね。」と笑っていました。
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