2016年12月16日 (金)

少数民族のルーツを求めて、“少数民族街道”を往く(中国雲南省・ベトナム)

先日、「雲南・北部ベトナム少数民族街道 10日間」の添乗より帰国致しました。
このツアーでは中国・雲南省とベトナム北部サパの両国にまたがる少数民族の村々や彼らの日常生活には欠かせない市場を訪ねました。藍に染まった水が流れるベトナム・黒モン族の村や中国・ハニ族が作り上げた絶景で話題の元陽の棚田など、のどかな田園地帯を楽しみながらのんびり散策をしました。

中国とベトナムには、両国それぞれ約54もの少数民族が生活しています。各々の民族ごとに独自の文化や習慣があり、その多種多様な生き様に触れることができました。
しかし、雲南省の少数民族・ベトナムの少数民族と住んでいる地域、つまり国籍も今では異なりますが、ルーツがまったく同じ民族もいます。例えば、ベトナム北部に住む「赤ザオ族」。非常に商売気質の強い彼らは赤い頭巾がポイントです。ふくらみがある頭巾が正装ですが、簡易頭巾も今では主流です。

赤ザオ族

一方、中国・雲南省の金平郊外の太陽寨に住む「紅頭ヤオ族」。名前からしてあれ?と気づかれた方もいらっしゃるかと思いますが、この2つの民族は実は同じ民族なのです。彼らはまるでサンタクロースのような赤いとんがり帽子(頭巾)を被っています。また、両民族とも結婚すると眉毛を剃るという習慣があります。その他にも、お食事の味付けは中華風、主産業は農耕生活というように民族や住む場所は違えど、両国に“国境”はないようでした。

紅頭ヤオ族

彼らとの交流もまた少数民族ツアーならではの楽しみです。ベトナムの赤ザオ族がたくさん住む、ターフィン村を訪れると、バスが停まるなり、赤ザオ族たちがお出迎え。その様子に驚きましたが、村の散策中もずっと隣で話しかけてきて(フランス植民地時代からの観光地のため、英語もある程度ペラペラです)、まるで赤ザオ族の人たちとお散歩しているような気分になりました。

また、出会う人、出会う人、彼らが身に纏う民族衣装の刺繍には終始、魅了され続けました。もちろん、民族によってその刺繍の施し方、模様、色使いは異なるので、伝統的な刺繍や染め物の技術とデザインは、母から娘へ受け継がれるそうです。
民族衣装を着ているとかさばるため生活しにくいという理由から、村の行事や冠婚葬祭の時にしか着用しない人も増えてきていることも事実です。しかし、娘の嫁入り道具としての花嫁衣裳の刺繍を縫うという伝統は今も受け継がれています。
道端で、あるいは野菜を市場で売りながらその片手間に、一針ずつ想いを込めながら、針をすすめるその姿に心を打たれました。

少数民族のルーツを辿りながら、人々の温かさに触れる旅となりました。(角田)

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