2017年2月28日 (火)

500以上の細微な彫刻が残るパタンの王妃の階段井戸(西インド)

王妃の階段井戸

先日、「謎のインダス文明遺跡ドーラビーラーと砂漠の国ラジャスタン12日間」のツアーから帰国しました。メインのドーラビーラー遺跡やインドのウユニ塩湖とも呼ばれるホワイト・ラン、ラクダレースが行われたデザートフェスティバルなど、旅のハイライトは様々ありましたが、中でも心に残ったのはパタンの王妃の階段井戸でした。
 王妃の階段井戸は2014年6月22日に世界遺産に登録されたことで一躍有名になりました。11世紀に40年ほどかけて造営されたこの階段井戸の正式名称はラニ・キ・ヴァヴ。ラニは王妃、ヴァヴは井戸という意味です。パタンから1時間ほど離れたモデラーにあるヒンドゥー教のスーリヤ寺院を建てたマハラジャ(王)の妃ウダヤマティが、彼の治績を称えて建てたため、この名がついたそう。1958年に再発見されるまでは土の中に埋まっており、きれいな状態で自然保存されていました。しかしながら、2001年に発生した大地震で一部が損壊。7階建てですが、現在でも下2層は修復中で立ち入り禁止となっています。
 長さ64m×幅20m×深さ27mを誇るこの井戸には500以上もの彫刻が残っており、一つ一つが細かく芸術的で、階段から足を踏み外さないか冷や冷やしつつもじっくり見入ってしまいます。中でもここの階段井戸でしか見られない有名な彫刻が二つあります。一つは階段の中心から正面、最奥に見える、まるで涅槃しているようなヴィシュヌ神です。階層が下がるたびに奥に見える仕様になっていますが、下に降りていくにつれヴィシュヌ神が小さく彫られているのも見どころ。もう一つは中階層右手にある毒蛇を身体に巻き付けた裸の女性・ヴィシュカネアの彫刻です。ヴィシュは毒、カネアは女性という意味で、彫刻は全て砂岩でできているため色はついていませんが、彼女自身も小さな頃から毒を飲み続けてきたため本来の顔色は紫色なのだそう。戦いに負けた王が勝った王に毒を盛るため、彼女を利用していたという逸話が残っています。

王妃の階段井戸のレリーフ

 パタンに限らず、インドには階段井戸自体が多数造られています。インドの暑く水が少ない気候に合わせて造られたといわれ、階段状になっているのは水の増減に合わせて階段を下りて井戸の水をくむことができたからです。また、階段を下りると外から気温が5度程も下がり、涼を取る目的もありました。インドはシルクロードの交易路でもあったため休憩地としても利用されていたそうです。特にパタンでは昔から続いていたヒンドゥー教の風習サティ(未亡人が旦那の亡骸を抱いて後追い焼身自殺する習慣)に反対した王妃が有志の55人に未亡人の女性と起こしたデモの拠点としても使われていたそうです。ちなみに長い年月はかかりましたが、インドで最初にサティがなくなったのはパタンのあるグジャラート州、最後まで残ったのがツアー後半に訪れたお隣ラジャスタン州だったそうです。(日裏)

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