2017年2月17日 (金)

中世スペイン王家の権力を象徴する・・エル・エスコリアル修道院

この日は小雨が降っていました。霧の中からうっすらと姿を現す、修道院は少し不気味で、どっしりと構えた外観に圧倒されるばかり。1辺が約200mの花崗岩でできた一見質素な、修道院は図書館やバジリカ、霊廟などが集まっている、まさにスペイン帝国の権力を象徴するような、壮大な複合施設となっています。

エル・エスコリアル修道院、エル・エスコリアル

正式名称はサン・ロレンソ・デ・エル・エスコリアル修道院。マドリッドから約50㎞。1557年、フランス軍に勝利したことを記念して、フェリペ2世の命により建設されました。勝利した日がサン・ロレンソの命日だったことから、この名前がつけられました。サン・ロレンソは焼き網の上で、殉教したことから、この修道院を上から見ると、巨大な焼き網形になっています。サン・ロレンソの像が飾られている入口から早速中へ入ります。
始めは大図書館。4万冊のコレクションがあり、天井は見事なフレスコ画が全面に描かれています。所々にフェリペ2世や親のカルロス1世、息子のフェリペ3世などの肖像画が飾られ、ギリシャ語、ヘブライ語、アラビア語で翻訳された聖書、イザベラ女王が使っていた聖書もあります。残念ながら写真撮影は禁止。彩り豊かで、豪華すぎる図書館ですが、本を読んで疲れた目を癒すには最適かもしれません。
続いて1584年に完成した、中心部が90mある荘厳なバジリカ。主祭壇には、サン・ロレンソが網焼きで殉教した絵画が中心に飾られています。主祭壇横には窓がちらりと見え、なんとフェリペ2世の寝室であったと言われています。
装飾が美しい回廊を通り、エル・グレコが描いた大作「聖マウリシオの殉教」がある部屋へ。王家からの依頼で描いたこの絵は、フェリペ2世は気に入らず、祭壇に捧げることを拒んだといいます。以来、エル・グレコは宮廷に近づかなかったとか。その奥には旧参事会室として使われていた美術館があり、エル・グレコの他の作品の他、ティッツィアーノティントレットなど、数々の巨匠の絵が並び、フェリペ2世の趣味が伺える空間となっています。
そして見所の一つである、王家の霊廟へ。王家の人々の墓がずらりと隙間なく並び、一人一人名前が刻まれています。お墓が並ぶ部屋をいくつか通りすぎ、最も奥の部屋にはカルロス1世以降の王と王妃が眠るパンテオン。そ前代国王、フアン・カルロスと王妃のスペースは確保されていたが、それ以降はまだ未定だそう・・。大理石に囲まれたこのパンテオンの中にはもうスペースがないように思われるが・・。
最後は王宮。フェリペ2世が実際に住んでいた部屋をまわります。書斎や寝室、ダイニングルーム、絵が並ぶギャラリー、会議所などなど。決して豪華ではないのですが、一つ一つの調度品は品があり、落ち着いた雰囲気を醸し出しています。
1598年に生涯を閉じたフェリペ2世。彼が残した遺産は数多く存在するが、エル・エスコリアル修道院はその中でも彼の嗜好がよく表れた興味深い遺産のひとつとなっています。(荒川)
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