2017年4月14日 (金)

金沢先生と巡ったロマネスクの旅、山間の小さな村でぷくぷくマリア様とご対面

先日、ユーラシア旅行社の「金沢百枝さんとゆく カタルーニャ・ロマネスクの旅 7日間」に行ってまいりました。金沢先生は東海大学文学部ヨーロッパ文明学科の教授で、専門は西洋美術、なかでもロマネスクです。
ロマネスク様式とは、ゴシック様式が始まる前の、10世紀末から12世紀にかけて、ヨーロッパで広まっていた建築様式です。彫刻やフレスコ画などの教会装飾を見てみると、あっかんべーをしている動物がいたり、大きな口にキバがずらりと並ぶ怪物がいたり、形式に囚われない、自由で素直な表現方法が魅力の一つです。
カタルーニャはスペイン北東端、フランスとも国境を接する州で、ヨーロッパの中でロマネスク様式が最も早く誕生した地域のひとつでもあります。このカタルーニャ州に属する街、ジローナの大聖堂には、ロマネスク美術の傑作ともいわれる『天地創造のタペストリー』が所蔵されており、金沢先生はこの刺繍布について博士論文を執筆されています。今回は、金沢先生にとっても思い入れの深いジローナを中心に、カタルーニャのロマネスク教会を巡ってまいりました。
金沢先生の解説で見る生の刺繍布はもちろん圧巻でしたが、今回のツアーでの一番のお気に入りは、山間にある小さな村ムーラで訪れたサン・マルティ教会です。ムーラまでの道のりは、対向車に出くわすとちょっとドキッ!とするようなくねくねの山道。実際に出くわすこともありましたが、腕のいいドライバーさんのお蔭で無事に村に辿り着くことができました。山道を一番下まで降りたところにあるムーラは、斜面に張り付くような造りと、茶系で統一された石造りの街並みが素敵な村でした。サン・マルティ教会は11世紀に建てられた教会です。日曜日のミサの時しか開かないため、今回は外観のみの観光。しかし目当てのロマネスク彫刻はちゃんと見ることができました。

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さて、その目当ての彫刻は、サン・マルティ教会のタンパン(扉口の上部)に施されていました。表現されていたのは、聖母マリアとその膝に抱かれたイエス・キリスト、向かって左側にマギ(東方三賢者)、右側に産婆とヨセフ。題材は至って普通ですが、このマリア様、なんだかふっくらしている…。丸みを帯びた顔と体つきは優しげで、見ているだけで福がありそうです。金沢先生曰く、このようにぷくぷくしたマリア様は珍しいのだとか。また、よく見てみると幼子のイエス・キリストは足の指をきゅっと縮めています。シンプルなデザインにみえて細部へのこだわりも感じられます。製作者の意図は全くわかりませんが、だからこそ想像の余地があり、何より見ていてほっこりと温かい気持ちになれる、素敵な彫刻でした。これぞロマネスク!!

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金沢先生の解説に助けられながら、ロマネスク美術と向き合い、心で感じたことにじっと耳を傾け、本当の意味で鑑賞できたように思います。とても貴重な経験でした。(佐藤)

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