2017年5月30日 (火)

南インド・マーマッラプラムの2つの寺院

先日、ユーラシア旅行社の「南インドの楽園ケーララとドラヴィダ文化探訪 8日間」のツアーより帰国致しました。
南インド最大の都市チェンナイ(旧名マドラス)よりベンガル湾沿いに南へ約60km下ったところに位置するマーマッラプラム。パッラヴァ朝時代(3~9世紀)において、貿易港として栄えた町で、7、8世紀に建てられたヒンドゥー教の寺院群が世界遺産に登録されています。ここで面白いのが、同じ町にある寺院でありながら、7世紀のものと8世紀のものでは建築方法が異なること。つまり寺院建築の進化過程を目の当たりにできるのです。
まず7世紀の半ばに造られた「5つのラタ(ラタとは神の乗り物である寺院や山車を意味します)」。建物そのものや屋根の形が全て異なるのが非情に興味深いですが、これらのラタは皆1つの巨大な花崗岩から造られた石彫寺院です。ということは、巨大な岩を運搬することもままならない時代でしたので、寺院が建てられたのは必然的に岩場の近くということになります。

5つのラタ

そして8世紀初頭。ここで「建築革命」が起こるのですが、それを見ることができるのが上記の「5つのラタ」からわずか1kmほどの位置にある「海岸寺院」です。どのように変わったかと申しますと、巨大な岩ではなく、切石を積んで建立した寺院なのです。ということは、それまでは寺院の造営場所が限られていましたが、石を小さく切ってしまえば運搬も容易になり、それによりどんな場所でも寺院を建てられることが証明されたのです。

海岸寺院

そしてインド各地にヒンドゥー教寺院が数多く建てられ、インド北部、南部と建築様式がそれぞれ異なるようになっていきました。とりわけ南インドでは「ゴプラム」と呼ばれる彫刻が施された高い屋根を持つ塔門をあちこちで見ることができますが、石積寺院の原点である「海岸寺院」の屋根から派生していると思ったのは、私だけではないはずです。

ゴプラム(マドゥライのミナークシ寺院)

何の知識もなしに遺跡の建造物を見て感動することも多いかと思いますが、いろいろな歴史背景を頭に入れつつ見学すると、より一層旅に深みを与えてくれるに違いありません。(斉藤信)

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