大航海の始まりと終わり、ベレンの塔(ポルトガル)
先日、「ポルトガル・ハイライト 9日間」より帰国しました。
今回は、首都リスボンや港町ポルトはもちろん、最もポルトガルらしい村に選ばれたモンサントや王妃の愛した街オビドスなど9日間という短い日程でポルトガルのハイライトを周遊します。
中でも印象に残っているのが、リスボン近郊の港に建つ、ベレンの塔です。
テージョ川に面するベレン地区はポルトガルの主要な港でした。ベレンの塔の正式名称は「サン・ヴィセンテの砦」と言い、1515年にマヌエル1世の命により行き交う船を監視し、河口を守る要塞として建てられました。遠目から見ると、中世の城のような外観をしていて、かの司馬遼太郎はこの塔を「テージョ川の貴婦人」と表現しました。
まだ船しか海を越える手段がなかった時代、何年もかけて冒険しやっとたどり着いた故郷。見送ってくれた時と変わらずに建っているこの塔を見たとき、船乗りたちは安心し、帰ってきた喜びに浸ったといいます。また、出迎える人々もこの塔の鐘が鳴り、船が近づいてきたという合図が鳴ると、港に集まり、歓迎の宴の準備が始まったそうです。塔のバルコニーには王族が立って帰国した船乗りたちを歓迎しました。その後、中にある謁見の間で、遠い東洋やブラジルの話を聞いていたといいます。
ベレンの塔を見ると、いつも帰ってきた船乗りたちの喜ぶ姿、出迎える人たちの歓迎する姿が浮かんできます。(保坂)
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