“花の浮島”礼文島と知床の自然

先日、「クルーズでつなぐベストシーズンの礼文島と知床を歩く」の添乗より戻りました。
クルーズ船“ぱしふぃっくびいなす”で小樽港から3泊の船旅へ。
北海道のさらに北部。稚内沖に浮かぶ礼文島は、初夏、花々が咲き“花の浮島”と呼ばれます。港では島民の皆さんが、手作り昆布茶でお出迎え。ここからフラワーガイドさんと花を観ながらのハイキングに出発しました。チシマフウロ、レブンシオガマ、オオカサモチ、オオハナウド、センダイハギ、ハイキンポウゲ、エゾカンゾウ、ハマナス、アサギリソウ、ハクサンチドリ、シャク、オニシモツケ、バイケイソウ、ネムロシオガマ、エゾオオバコ、チシマシンレイカなどを観察しながらハイキング。午後には植物園を訪れ特定国内希少種、北海道の天然記念物に指定されているレブンアツモリソウを観察しました。
翌日は世界自然遺産、知床へ。海と陸とが一体になった生態系と、生物の多様性が認められ、2005年、日本で3番目の世界自然遺産に登録されました。知床五湖フィールドハウスから、ライセンスガイドさんの引率で、五湖全てを堪能する大ループのハイキングに出発。早速ウグイスやアオジの鳴き声が歓迎。ただいま鳥の繁殖期。オスは鳴き声や木をつつく音、羽音でメスにアピールします。花が終わって大きく育ったミズバショウ。開拓期に植えられたトドマツの木。知床の森は広葉樹も針葉樹も入り交じった針広混交林です。キビタキの声、昔は鉛筆に使われていたイチイの木、アカハラの声、ヤマブドウのツルが絡み付いた木にはヒグマの爪痕。ヒグマは木登りが上手で、ぶどう狩りをしたようです。
5湖ではルリイトトンボが飛び、ネムロコウホネが湖から咲いていました。4湖のほとりにはツタウルシ、サルナシ(=コクワ、実はキウイのよう)、ギンリョウソウ、ミズナラの木(昔ニッカウイスキーで樽の材料にしていました)にツリガネダケ。雪解け水でできた通称3.5湖にはエゾアカガエルを食べにシマフクロウがやってきます。ガイドさんのご自宅にも稀にシマフクロウが現れるそうです。羽を広げると全長2mにもなり、まるで畳が飛んでいるように見えるとか。3湖そばには、かつて知床五湖の象徴だったミズナラの木の倒木。再びミズバショウの繁殖地、クマもヒトも食べませんが、エゾシカが食べます。2湖越しに次第に雲が晴れて見えてきた知床連山。羅臼岳、三ツ峰、サシルイ岳、オチカバケ岳、硫黄山、新噴火口が並びます。
巨大なキツツキ、クマゲラの開けた穴。穴を開けた後、長い舌で中の虫を食べますが、舌は木を突くときに脳を守るクッションの役割も果たすそうです。突いて開けた穴の形が舟に似ていることから、アイヌの人々は“舟の掘り方を教えにきてくれた神様”と呼ぶそうです。
寝ている間に次の目的地へ。クルーズの旅が快適なことは言うまでもありませんが、ぱしふぃっくびいなすは日本クルーズ客船が運航するだけあり、船員も皆日本語ができ、船内生活には一切不自由がありませんでした。
(尾崎)
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