2017年7月26日 (水)

白神山地で感じる、晴れの森と雨の森

Photo

先日7月2日出発「充実の白神山地ハイキング」の添乗に行って参りました。
白神山地は、青森県と秋田県にまたがる山岳地帯で、その面積は17,000ヘクタールに及びます。ほとんど人為的影響を受けずに残る広範囲に広がる原始的ブナの森が残されていることが評価され、1993年には世界遺産に指定されました。

今回のツアーでは、ブナの森を4日に渡ってハイキングし、じっくり歩いてきました。
まずは、白神山地南麓の秋田県側からスタート。田苗代(たなしろ)湿原では、キスゲのシーズンでした。今年は一面の花という状況ではありませんでしたが、ブナの森に囲まれた湿原にひっそりと咲くキスゲは、清廉な乙女のようでした。

ツアーでは4日間、ブナの森でガイドの方の話に耳を傾けながらハイキングを続けました。ブナは生育が遅く、また水分が多いため、建築資材としては繁用されることはありませんでした。しかし、ブナには特別な役割があります。森の中の天然のダムという役割です。ブナの木々はお互いに絡めながら根っこを地面に張り巡らせます。そうして、土中にしっかりと水分を貯め込んでいます。大雨があっても、ブナの根っこのお蔭でそう簡単に土砂崩れを起こすことはありません。また、約100年かけて立派な成木となったブナは、1本の木に約10トンの水を蓄えているのだそうです。10トントラック1台分の水分とは、ブナの保水力には驚きます。だからこそ、ブナの森にはシットリとした空気が漂い、足元は腐葉土でフカフカとしているのでしょう。

Dscn8988

Asshuku

さて、お天気はというと、梅雨の時期ということもあり、毎日晴れとはいきませんでした。曇っている時もあれば、本降りの時もあり、また、晴れ間が射すこともありました。このようなお天気の移り変わりもまた、自然の営みの一部です。雨の中を歩けば、ブナの大きな葉っぱから枝を伝って根っこへと雨が伝わる様子がわかりました。また、白い靄のかかった森では、まるで幽玄なる世界に迷い込んだような気がしました。そして晴れていれば、木々の葉からこぼれるような日差しを感じました。そのどれも、ブナにとっては生きていくために必要なものです。ブナが貯め込んだ水がやがて川を流れて海に注ぎ込み、その海で育った海の恵みをもって人間が生きています。白神のガイドの方々が、そんな話を情熱的に語っていたのがとても印象的でした。そうして4日の旅を終える頃には、ブナの森がとても愛おしく感じられるようになりました。雨の森、晴れの森、どちらも美しいブナの森に出会えた気持ちで旅を終えました。(斎藤さ)

ユーラシア旅行社で行く白神山地のツアーはこちら

|

日本情報」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。