一足早い夏祭り、リスボンで一番盛り上がる聖アントニオ祭(別名イワシ祭り)
先日、ポルトガル物語15日間の添乗より戻って参りました。このツアーでは、大航海時代にエンリケ航海王子がアソーレス諸島と共に交通の要衝として発見したマデイラ島にも滞在しました。貿易によって持ち込まれたアフリカや南米の植物が、とても綺麗に花を咲かせていました。
そして、今回の見所は、リスボンで行われる聖アントニオ祭です。私たちは6月12日の前夜祭を見学しました。
このお祭りは、リスボンの守護聖人聖アントニオの生誕を祝うもので、各地区ごとに手作りで準備したお揃いの衣装でパフォーマンスをしながら通りを練り歩くパレードが開催されます。リベルダーデ通りに特設された客席には審査員が座っており、最も優れたパフォーマンスを見せた地区には賞が贈られます。電飾やカラフルな装飾で華やかさを出したり、その地区名産の物をモチーフにした衣装を用意するなど、見応えたっぷりです。
12世紀末に生まれた聖アントニオは生前から布教活動などで広く知られていたので、死後すぐに聖人となりました。彼が生まれ幼少期を過ごした場所には、15世紀に小さな礼拝堂が建てられました。そのサント・アントニオ・デ・リシュボア教会は、聖アントニオ祭の中心となっています。聖アントニオ祭は1755年に始まり、守護聖人アントニオの生誕と彼の偉業を讃えるため、開催日は彼の誕生日である6月13日となりました。
また、聖アントニオは縁結びの聖人でもあります。この日、リスボン市内から選抜された何組かのカップルは、無償で結婚式を挙げることができます。リスボンの方と婚約すれば、聖アントニオ祭での結婚式も夢ではありません。また、この日に願掛けをすると恋が叶う、告白をするとOKがもらえる、結婚をすると幸せになれると信じられていて、町では告白イベントや結婚式があちこちで行われます。
そしてさらに、この時期はイワシの解禁時期と重なっており、別名イワシ祭りともいわれ、主にアルファマ地区でイワシを焼く屋台がたくさん見られます。イワシの帽子を被った現地の人々は、美味しそうにイワシを食べています。歩いているだけで、屋台で焼かれるイワシの香りと煙が目に染みて、これこそが祭りだ!と実感します。
聖アントニア祭では、何よりもリスボンっ子たちの盛り上がりを肌で感じることができます。その雰囲気は日本の夏祭りにも似ており、自然と心が躍るお祭りでした。(松本)
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