活かされ生き返る遺跡を体感するラヴェンナ野外オペラ(イタリア)
7/3発「ヴェローナ野外オペラとラヴェンナ音楽祭 10日間」の添乗に行って参りました。ミラノからヴェローナ、パルマ、ラヴェンナ、ヴェネツィアと北イタリアの主要な観光地を巡る日程で、ヴェローナにあるローマ時代の古代円形劇場で催されたオペラ鑑賞とラヴェンナでは指揮者リッカルト=ムーティーによるラヴェンナ音楽祭の鑑賞をしてきました。
ロミオとジュリエットの舞台として有名なヴェローナは、ローマ時代からイタリアとドイツをつなぐ重要な街道沿いにある町として発展。その名残である、現在でもヴェローナの町の中心地に建つ古代円形劇場(アレーナ)が本来の目的である劇場として活かされた野外オペラ鑑賞は素晴らしい体験でした。
夏の日差しがさすように強い日中を終え、太陽が西に沈むころ、まだ空は完全な暗闇ではなく、濃い黒を含ませた紺色の空の下、オペラ「アイーダ」が始まりました。古代円形劇場には屋根がなく、その背景となる空の色さえ舞台の一部。今回は舞台セットとして満月が準備されていましたが、エジプトが舞台のアイーダで本物の月(この日は三日月)が背景に現れたときは、円形劇場で劇をやるということは調整のきかない自然=空が舞台の一部として取り込まれ、自然状況によっては同じ内容でも印象が大きく変わるものなのだろうと思わされました。また観客のいる階段席から平土間脇の通路を駆け抜ける役者たち、半円舞台の後ろにある観客のいない階段席まで舞台として活用したことで、エジプトのピラミッドや砂丘、壮大な宮殿を彷彿させられました。
かつては3万人(現在は約1万8千人)収容可能な平土間、階段席に観客が埋まる様子や古代劇場全体を舞台として繰り広げられたオペラに、ローマ時代の“遺跡”といえる古代円形劇場が2000年前に当然として使われてきた“劇場”として生き返った!と思わされたことも印象的でした。(高橋)
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