2017年9月15日 (金)

シベリア鉄道の旅は、1日にしてならず(ロシア) その1

8月17日発「シベリア鉄道走破の旅 ~9,259㎞、ウラジオストクからモスクワへ~ 15日間」の添乗に行き、ツアータイトル通り、東の大都市ウラジオストクから首都モスクワまでの9,259㎞をシベリア鉄道に乗って移動してきました。 シベリアというと、皆様はどのような印象をもっていますか。寒々しい?人が住めるところではない!?・・・と『寒』のイメージが強いことでしょう。確かに冬の気温は-20℃にも-30℃にもなりますが、その気温でしたらカナダのイエローナイフも冬の時期にはそのくらい下がりますよね。当然、シベリアはちゃんと人が生活し、都市や町があります。しかし、夏のシベリアは、その冬の印象で訪れると何とも生命力溢れる風景が広がっていてシベリアに対する先入観との違いに驚かされました。

ウラジオストク駅のキロポスト

ウラジオストクからイルクーツクまでの移動中の区間は、厳密にいうと極東、ハバロフスク、アムール、ザバイカリスキー、そしてシベリアと地域が分かれています。シベリア地域とはシベリア鉄道路線でおおまかにいいますと、イルクーツク駅より約8時間手前で停車するペトロフスキー・ザヴォート駅までがザバイカリスキー地域で以降がシベリア地域となりウラル山脈まで続きます。 さて、上記の区間で一番鉄道工事が難航した地域はどこでしょうか。実はシベリアではなくザバイカリスキー地域が一番の難航区間でした。この区間は永久凍土に湿地帯、山と丘陵地帯という地理的な問題に加え、夏は30℃と暑く、冬は-20~-30℃の気温になります。8月下旬、車窓から眺めた永久凍土の地域には草木が生えて緑の大地を私たちに見せ、『凍土』という言葉の意味が見た目では理解できませんでした。その地域を走っているとき、たまたまその地域出身の乗客と同じ車両で話を聞くことが出来ました。永久凍土の地域は、夏でも地面を1.5m掘ると氷の地層にあたり、狩猟をして狩った獲物を掘った穴の中に入れておけば自然の冷蔵庫状態になったそうです。しかしシベリア鉄道の建設作業に従事する人たちにとっては、この永久凍土が建設作業を難航させました。また湿地帯は車窓から見ると何とも草がきれいに生い茂り幻想的な雰囲気・・・と思ったものですが、建設工事を想像すると、何とも広大な範囲にわたって見える湿地帯。シベリア鉄道を建設していた当時、夏の時期に発生する蚊による病気にもかかり、亡くなる人もいました。さらに、その湿地帯に高い土手を築いて鉄道のレールを敷いたのかと思うと何とも大変という言葉を通り越した作業だったと胸が詰まる思いになりました。 よくシベリア鉄道の車窓風景は同じ光景で飽きてくるといいますが、永久凍土の大地に息づく草木、難航の要因だったとはいえ美しい湿地の景色、白樺の林、ときどき見える集落やぽつんと建つ小屋。自然の美しさに感動し、鉄道工事の困難さに沈み・・・と車窓からの景色に様々な思いが浮かんできたものでした。

車窓からの景色

つづく
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■シベリア鉄道の旅は1日にしてならず その2はこちら
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