ポルトガルで最もポルトガルらしい村、巨石の転がるモンサント
先日「ポルトガル・ハイライト 9日間」の添乗から帰国しました。
海洋国家ポルトガル。教会や修道院は大航海時代に得た金や富で築いたものばかりです。今回訪れたリスボンのジェロニモス修道院は、その中でも随一のマヌエル様式の装飾が施された美しい教会がありました。マヌエル様式というのは、航海用具のロープや錨、貝、アジアの香辛料などの彫刻が柱や門に細かく施されたポルトガル独自の様式のことです。
今回のツアーでは、ポルトガルの海岸線沿いを北から南へと下っていき、海洋国家ポルトガルの魅力を堪能しました。
その中で唯一、海から離れたスペイン寄りの村モンサントにも立ち寄りました。バスでぐんぐん東へと進んでいくと、辺りの景色は段々と山並みが広がってきます。その山の中腹にモンサントはあります。
道を歩いていると、小さな教会や民宿、家が建ち並んでいて、その家々に食い込むようにして、大きな岩がゴロゴロと。岩を屋根や壁代わりに使っていて、夏は40度を超える暑さでも家の中を25度くらいにする効果があるそう。近くまで来ると2メートルを超える岩の存在感に圧倒されます。山の中にある街なので坂道が多く、所々に岩でできたベンチが置かれていて、歩き疲れた人が休憩できるようになっています。人口100人程の老人ばかりのモンサントらしい気遣いを感じました。
途中、時計台があり、そのてっぺんには鉄板でできたような風見鶏。これはモンサントが「ポルトガルで最もポルトガルらしい村」ということで賞をもらったときに与えられたものです。
更に上の城壁跡まで登っていきます。上へと進むにつれて段々と傾斜も厳しくなっていきます。道の脇に転がる岩もどんどんと大きくなり迫力があります。そして15分程歩き、坂道を登りきるとようやく城壁に到着します。
もとは11世紀レコンキスタの時に建てられたものでしたが、今では跡形もなく、城壁のみが残り、城壁内にはやはり岩がごろごろと転がっています。城壁の上によじ登ると、少しスリルもありますが、山の上からの素敵な景色が楽しめました。
そして最後に昼食。「ごちそうと花崗岩」というレストランへ。中に岩が突き出ているのはもはや見慣れた光景。しかしお手洗いから何やらお客様の盛り上がっている声が。なんとお手洗いにも大きな岩がどどんと張り出しているのです。そしてそこからの景色も絶景。
こうして素敵なお手洗いに後ろ髪を引かれつつ、モンサントを後にしました。
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