2017年11月10日 (金)

青きドナウの果てに出会った景色

先日、「MS.アマデウス・ロイヤル号 ウィーンからドナウ・デルタの大自然へ。ドナウ河7ヶ国クルーズ 12日間」のツアーより帰国しました。
このコースはかつてのハプスブルク家の御膝元ウィーンから東へ進み、黒海手前・世界自然遺産のドナウ・デルタまでドナウ河を下る旅です。
 ドナウ河と聞くとヨハン・シュトラウス2世の「美しき青きドナウ」という曲が有名ですよね。今回はドナウ河沿いの7つの国々の街々の観光をしながら進んだのですが、私の中でちょっとした疑問が…ドナウ河…青くない…な…。船内にはクルーズ・ディレクターと呼ばれる行程のエキスパートがいるのですが、彼女から1時間、たっぷりとドナウ講義をしてもらった時にその理由を教えてもらいました。
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 ドナウ河は、もともとヨーロッパの非常に重要な交通手段だったわけですが、今よりもずっとずっと澄んでいて、うっすらと青く見えていたそうです。どちらかというとちょっとくすんだ色合いで「青」というより「蒼」という感じだったのではないかということでした。これが一つの説。
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 もう一つの説は、ヨハン・シュトラウス2世が生まれる15年くらい前、ヨーロッパで大活躍していた人物が関係しているそうです。誰だと思います?19世紀初頭に活躍した人と言えば!そう!ナポレオンですよ!当時、神聖ローマ帝国だった今のオーストリアとドイツとのドナウ河を挟んだ戦いがいくつかありました。
 常勝軍ともいえるフランス軍。彼らが渡河するとその軍服の色で、ドナウが青く染まったように見えたと言われたのだそうです。ちょっと、それは説として無理がないかな?とは思いましたが、当時の戦いはもちろんですが、軍服を研究している人もいます。『華麗なるナポレオン軍の軍服』(マール社)をちらっと覗いてみると…青い軍服が多い!これなら歩兵や騎兵が勢いに乗って攻めてくるフランス軍の渡河する様は、ドナウが青くなったように見えたのかもしれません。どちらの説も、ヨハン・シュトラウス2世のころには、昔々のお話だったでしょうけれども。
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 けれども、美しい街々を抜けて自然の鉄門峡と呼ばれる絶景や、ドナウ・デルタに入り、とうとう黒海を望めたとき。太陽の光を受けて水面がキラキラして、茶色かったドナウはどこかへ消えてしまったようです。
誰もが感無量の中、「美しき青きドナウ」が流れました。
…目の前に広がるドナウが青く見えたのは私だけではなかったとも思います。(齋藤晃)

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