「星の王子さま」では恐怖の木!?不思議な巨木バオバブは存在感抜群!(マダガスカル)
先日、「マダガスカル、絶景ツィンギーハイキングとバオバブの里ムルンダヴァ 10日間」のツアーから帰国しました。マダガスカルは太古の昔、大陸から分裂して孤立した島国となり、動植物も独自の進化を遂げたため、現在でも野生生物種の90%以上が固有種という貴重な生態系を持っています。日本では白と黒の縞々のしっぽが特徴的なワオキツネザル、地上を2足歩行で横っ飛びジャンプするベローシファカ、童謡でも知られるアイアイが有名ですが、最もよく知られているのは上下が逆さまになったような不思議な巨木バオバブではないでしょうか。 伝説では、地球で最初の木であったバオバブは後に登場したヤシの木のように背が高く、イチジクのように果実を実らせたいと望み、それを実現させた我が儘さに神様が怒り、根を引っこ抜いて逆さまに地面に突き刺したため今のような姿になったといわれています。バオバブを一躍有名にさせたサン・テグジュペリ作の小説「星の王子さま」では、星を破壊する暴れん坊といった悪いイメージですが、地元の人にとっては信仰の対象として神聖な木でもあります。
一口にバオバブと言っても形は様々。諸説ありますが、バオバブはアフリカ本土やオーストラリアを含めて全世界に10種あり、その内8種はマダガスカルの固有種です。群生地は決まっており、今回のツアーで訪れたムルンダヴァ付近で見られたのは3種でした。天に向かってまっすぐ伸びるスタンダードな「グランディディエリ」、少し浅黒い「ザー」、とっくり型の「フニィ」です。バオバブの中身は藁のような繊維質で年輪がない為、樹齢ははっきりと分かりませんが、この辺りで一番大きいのは樹齢700年ほどで、「聖なるバオバブ」として柵で囲われ祀られていました。
一つの根元から2本のバオバブが仲良く生えている「双子のバオバブ」や2本の幹が絡み合い恋人同士のような「愛し合うバオバブ」など様々なバオバブスポットがありますが、「バオバブの並木道」がやはり一番のハイライトです。1本1本が巨大で存在感抜群のバオバブが小道に並ぶ姿は圧巻。今回は夕陽鑑賞のために少し長く滞在しました。各々ベストスポットを探しに散歩したり、露店に並ぶバオバブのミニチュアオブジェを吟味したり、カメレオンを連れて商売する子どもたちに声をかけられたり。バオバブの実も売っていましたが、お客様が話の種にと購入され、おすそ分けして頂いたので試食しました。中は種が多く、白い実の部分は少ししかありませんが、酸味があり、栗のような味がして案外おいしかったです。そうこうしているうちに日が暮れていきます。日が沈むにつれ、バオバブがだんだんとシルエット化していく様は神秘的。まさに絵になる光景で、一日ガタガタの悪路を4WDで突き進んできた疲れも吹き飛びます。太陽が沈み切ると名残惜しくもお別れの時間。再び4WDに乗り込み、どんどん小さくなっていくバオバブに後ろ髪を惹かれつつ、ホテルへと向かいました。(日裏)
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