モナ・リザだけじゃない、ヴィンチ村のレオナルドさん
この度、「レオナルド・ダ・ヴィンチの道」より帰国しました。
ツアーのタイトル通り、生まれ故郷ヴィンチ村、才能を開花させたフィレンツェ、名声を確立したミラノやその他イタリア国内の彼に関係する場所を訪問しました。
訪問した日は、前日に近郊の山に降った雪の影響で冷たい風が吹き、空は薄暗く、こんな何もない寂しい所であの天才が生まれたのか、、、という印象でした。
幼少期のレオナルドは同年代の友達を持つこともなく、自然豊かな村はずれのアンキアーノの丘でトンボやトカゲなどを追いかけて遊んでいたそうです。遊び相手である動植物の生態に興味を持ち、大自然が彼にインスピレーションを与え、想像力や探究心、観察力を育てたと言われています。
レオナルドは「モナ・リザ」や「最後の晩餐」で世界的に有名ですが、実は数々の発明でもその能力を発揮しています。
ヴィンチ村の博物館ではそのアイディアを模型にして展示してあります。彼は溢れるアイディアを全て鏡文字(逆さ文字)で書き残していて、その数は分かっているだけで5000以上もあるそうです。オリーブ油を抽出する機械や糸巻や水車など、実用的な物から自転車やヘリコプターなど後世になって実現化できたような物まで、模型を見ているととても一人の人間のアイディアとは思えません。「天才」だからこそ可能なのでしょう。
人体にも大変興味を持ったレオナルドは解剖を通して、人の目に関して良く理解しています。光や角度、様々な状況下での見え方などを研究してそれを絵で表現しています。遠近法や透視画法がうまく表現された絵画はその成果とされています。
ところで、名画「モナ・リザ」のモデルは誰か?一時期ブームにもなりました。今回はそのモナ・リザのモデルの一人とされる女性の故郷だというワイナリーのレストラン「ヴィーニャマッジョ」で食事をしてきました。
こちらも自然に囲まれたキャンティ・クラシコ地区。ちょうど黄葉が美しく、収穫の終わったぶどう畑が黄色く色づいていました。移動中の車窓からもトスカーナ州ならではのなだらかな丘が続く風景を楽しめました。
一つ目はモナ・リザのモデルとなったという女性のリザ・ゲラルディーノの名のついたワイン。イタリアワインの最高級とされる「DOCG」が格付けされています。キャンティは700年の歴史を持つイタリアを代表するワイン、その中でも特定の地域で昔ながらの伝統的製法で作られた物を「キャンティ・クラシコ」として区別しています。
次に出たのが、ワイン法の順守よりや格付けを意識せずに高品質を目指すという生産者の熱い思いが生み出した「スーパータスカン」。
伝統と革新、2つのワインを楽しみ、最後には独特の甘みの「デザートワイン」で締めとなりました。
こういった場所は、都市から離れているので簡単に行けません。出来たての料理を提供してくれるので時間もかかりますが、自然の中で育った家畜や自然農法で作られた野菜を使った料理は本当に美味しかったです。一般のツアーではなかなか出来ない贅沢な時間を過ごす事が出来ました。
料理やワインを提供してくれた女性は、終始穏やかな微笑を私たちに向けてくれました。
モナ・リザのモデルが本当は誰か、今となっては誰にも分からないままですが、500年の時を超えてそのモデルに会えた気になれました。(関根)
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