2017年12月21日 (木)

まるで巨大エレベーター?三峡ダムシップロック通過(中国)

長江黄金2号外観

先日、「四川省の世界遺産と三峡クルーズ 12日間」のツアーより帰国致しました。
当ツアーではツアータイトルにもある通り、重慶から湖北省の三峡ダムまでの3泊4日、長江三峡クルーズの旅となります。実は私個人にとって三峡クルーズは10年ぶりのことでしたが、まずびっくりしたのが以前に乗った船よりもかなり大型化していることでした。これはレセプションまで足を踏み入れたら一目瞭然。なんと以前の船にはなかったエレベーターが!ちなみに10年前に乗ったクルーズ船は全長92m、船幅16mでしたが、今回のクルーズ船「長江黄金2号」は全長150m、船幅24mです。これは2009年に三峡ダムが完成してから大型船の航行が可能となったことに伴い、より大きなクルーズ船が次々と造船されていったためです。

長江黄金2号内部

クルーズ中は下船観光があったり、デッキに上がって三峡(瞿塘峡、巫峡、西陵峡)を眺めたりしますが、一番印象に残ったのが、三峡ダムシップロック(閘門)の通過です。三峡ダムは上流側の海抜が175m、下流側が60m、つまり高低差が115mもあるため、船を航行させるために5段式のシップロックが設けられています。今回のツアーでの通過予定時刻は深夜1時。私は12時半ごろ最上階のデッキへ上がったところ、すでに船はダム手前に停泊しており、順番待ちの状況。それから1時間ほど経ってから閘門扉が開いたので、船は前へ進み閘室(船を収容するために前後の閘門扉に挟まれたスペース)の中へ入ります。なお閘室の広さは280m×34mあるので、私たちのクルーズ船とその前の小型貨物船2隻が同時に入ることができました。後ろの閘門扉が閉まった後、閘室の中の河川水を排水させることによって水位が下がっていきますが、まるで船ごとエレベーターで下がっている感覚です。23mほど下がり、前の閘室と水位が同じになってから、前の閘門扉が開き、船は前の閘室へと進んでいきますが、この一連の流れが5回行なわれます。最後まで見学された方のお話しでは、5回目が行われ、一番下に着いたのは明け方の5時ごろだったとか。

船頭から見たシップロック(下がる前)

船頭から見たシップロック(下がった後)

朝食後、クルーズ船を下りてから三峡ダムの見学を致しましたが、展望台より5段シップロックの様子を見ることができ、昨夜の行程が一目でわかりました。また発電所もあり、三峡ダムの水力発電で作られる電気量は、中国全体の2%をまかなえるとのことです。こうして三峡ダムのスケールの大きさを感じながら、次の目的地である関羽ゆかりの荊州へ移動したのでありました。(斉藤信)

船尾から見たシップロック(下がる前)

船尾から見たシップロック(下がった後)

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