2017年12月22日 (金)

素朴なシチリアを知る。名画の舞台チェファルーへ

海辺のチェファルーの町

先日シチリアの添乗より帰国致しました。
添乗前や帰国後にも、参考と称してその国の映画を見る休日を送っている自称映画好き添乗員ですが、今回訪ねたシチリアもわずか四国より少し大きいほどの島ではありながら、この島をロケ地とした作品や、物語の舞台となった名作が多く存在します。
例えば、イタリア統一戦争時代のシチリア貴族の没落を描いたヴィスコンティ監督の『山猫』や、美しい海に魅せられた実在のダイバーの物語『グランブルー』、テーマソングが印象的なマフィア映画の『ゴッドファーザー』は言わずもがなといったところでしょう。
そんな中、今回のツアーでは貧しくも慎ましく生きた戦後のシチリアを感じられる『ニューシネマパラダイス』の一幕が撮影された小さな町チェファルーを訪ねました。
この映画は、恩師である映画技師のアルフレードの訃報を機に、映画少年だったトトが自らの幼少時代の故郷での思い出を振り返っていく流れで物語が進んで行きます。
主な舞台となる故郷の村の撮影地は別の場所なのですが、このチェファルーにはトト少年がある夏の野外上映会で初恋を実らせ、恋人と雨の中キスするシーンが撮影された港があります。短い場面ですが、幸せでもありちょっぴりほろ苦い故郷の思い出を象徴する素敵なシーンです。
(重ねて言いますが、本当に短いシーンなのでロケ地めぐりを楽しみにお出かけされる方はこのシーンをよ~く覚えてから訪問することをお勧めします)
この映画の魅力の一つは、戦後のシチリアの生活がよく再現されていること。シチリアはイタリアの中でも特に経済発展が遅れ、主人公も戦争で父を亡くし母を支える周りの人々に見守られながら育ってゆきます。こうした時代背景と温かい人間関係はどことなく日本の戦後に通じるものもあり、親しみが持てます。
小さな街ながら、チェファルーの町はアラブ=ノルマン時代のモザイクが美しい大聖堂が世界遺産に登録されています。天井から見下ろすイエス・キリストとまばゆいばかりの金色のモザイクの壁は小さな港町の過去の栄光を感じられます。

チェファルーの町の大聖堂

オフシーズンに差し掛かったこの時期は町を歩いていても観光客とすれ違うことも少なく、観光地ではない、人々が生活する“生きた”町を感じられる時期でもあります。良くも悪くも、シチリアの街々は映画で描かれた当時から大発展を遂げてはいないように思われ、角をまがる度、主人公の少年時代のシチリアが垣間見えるような気がします。(松永華)

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