自然の恵みから生まれた、イタリア、サン・ダニエーレの絶品生ハム
スペインのハモン・セラーノ、イタリアのパルマ産プロシュート…。生ハムといえば何を思い浮かべますか?一説では古代ローマの時代から、愛されてきたといわれる生ハム。ワインや野菜、チーズとも相性抜群で、現代でも特にイタリアの食卓には欠かません。
イタリア東端、北部にプレアルプス山地、そして南にはアドリア海という場所に位置するフリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州にある小さな町、サン・ダニエーレ。食通以外は名前を聞いたことがないという人がほとんどかと思います。この町はアルプスからの冷たい風とアドリア海からの暖かな風が出会う場所。何の変哲もない小さな町ですが、この恵まれた気候により、生ハムの名産地として、世界的にも名をあげました。
早速、町のシンボルである大聖堂を横目に、こじんまりとした、町の中心に位置する家族経営のアットホームな生ハム工場兼レストランへ。壁にはスライス前の豚の肉の塊がずらりと吊り下がっています。もちろんこの工場でつくられたもの。味見の前に、生ハムがつくられる工程を見学。まだ若いこの家族の息子さんの案内のもと、塩漬けから、熟成まで、細かく温度が分けられた貯蔵庫をのぞかせてもらいます。生ハムの風味には欠かせない良質なバクテリアを育て、乾燥しすぎないよう、表面にラードを塗るなど細かい工程を経て、最後は開放的な部屋で熟成の段階に入ります。熟成室は建物の一番上に設けられ、天気の良い日には窓を開けたままにしておくそう。この土地の気候を利用し、最大限に風味を引き出していきます。
<生ハム貯蔵庫>
見学後は、ワインと共に、お皿いっぱいに盛られた生ハムの試食。熟成する上で、最適なサン・ダニエーレ特有の気候でじっくりと寝かされた生ハムは、口の中ですぐにとろけていき、まさに絶品。手間ひまかけて作られている様子を先に見学しているので、さらに美味しく感じます。パルマの生ハムと比べると塩気が少し少ないのが特徴です。この独特の風味はこのサン・ダニエーレの土地ならではのもの。パルマ産と比べると生産量では圧倒的に少ないサン・ダニエーレ産。しかしその分、この小さな町の小さな工場で、作り手が心を込めてひとつひとつ仕上げていくのです。
<生ハムスライス>
ところで、フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州は他のイタリアとは一風変わった、郷土料理が楽しめることでも有名です。この州はオーストリアやスロベニアと国境を接し、周辺国の影響を受けた料理が多いのです。そんな美食家もうならせるこの州の特産がサン・ダニエーレの生ハム!温かく迎えてくれた、彼らの素敵なおもてなしの影響もあるかもしれませんが、今まで食べた中で、一番美味しい生ハムでした。(荒川)
<オーナーの家族>
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