2018年2月 9日 (金)

新世界への近道!?マゼラン海峡(チリ)

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<マゼラン海峡の砂浜に座礁した羊の運搬船>

先日、南米のパタゴニアから帰国しました。

パタゴニアとはアルゼンチン・チリ南部地域のことです。
南米大陸を南北に7500キロに渡って貫き、チリとアルゼンチンを 分かつ雄大なアンデス山脈の峰々の下で銀嶺を眺めながら歩き、 巨大氷河の崩落を間近で観察し、手付かずの自然を楽しむ ことができる場所です。今までの添乗員ブログではモレノ氷河や クライマーの聖地フィッツロイ、チリのアンデス山塊パイネなどが度々 紹介されているので、今日はパタゴニアの隠れた見どころの一つ、 マゼラン海峡をご紹介します。

マゼラン海峡は、初めて世界一周を成し遂げたマゼラン提督が 発見した海峡です。コロンブスの新大陸発見後、ポルトガルやスペインなど当時の海運
国の次なる目的は黄金の国ジパングや香辛料諸島に辿り着くこと でした。コロンブスが発見した新大陸(インド)をぐるりと南まわりで 回り込むと大きな湾があり、そこに黄金の国や香辛料諸島があると 思われていました。 マゼランはいくつもの湾や川をしらみつぶしに徹底的に探索しては 失望し、そしてついに発見したのがマゼラン海峡でした。

ところが海峡を抜けた後にあるはずの大きな湾や黄金の国ジパングや 香辛料諸島はなく、その代わりに広がっていたのはとてつもなく広い 太平洋だったのです。
当時のマゼランはそんなことを知る由もなく、太平洋を横断し、 東南アジアのセブ島とマラッカに辿り付いたのでした。

当時のマゼランにとっては海峡を越えた後は全くの未知の世界 でした。食料や水も尽き果てる中、残りどれほどの日数で目的地に 辿り着けるかも定かでないまま、島影一つ見えない大海原に乗り出していったマゼランと航海士達の冒険心や勇気を想うと感心 せずにはいられません。

ツアー中にはこのマゼラン海峡沿いをバスで走り、最も狭くなっている 6キロの幅の海峡をフェリーで渡りました。
知らなければただの海峡ですが、マゼランの壮大な挑戦を思い 浮かべながら、マゼラン海峡を見渡します。
たったの30分足らずの航海でしたが、自分で未知の世界へ冒険した 訳でも無いのに何だか感無量になりました。(上田)

パタゴニアのツアーはこちら

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