世界一過酷な環境で働く勤勉なエチオピアの人々(エチオピア)
この度「ダナキル砂漠、エルタ・アレ火山とエチオピア絶景紀行8日間」より戻りました。
エチオピアは、歴史家のヘロドトスが「ヒストリア」でエチオピア地方の人々をイティオプスと記録したことが、国名の由来となりました。これは「日に焼けた人」というギリシア語です。エチオピアは確かに暑かった!
今回ご案内したダナキル砂漠は、エチオピアの北部に位置し、2月でも日中40度近くまで気温が上がります。観光中も1リットルボトルの水は手離せません。
エチオピアの方々が日に焼けているのは、この厳しい自然環境で生きていかなければならなかったという不可抗力的な要素が大きいかもしれませんが、私が勝手に想像することには、エチオピアの人々の真面目な性格も影響しているのではということです。
数々の国に添乗に行った私ですが、エチオピアの人は特に親切でとても働き者です。今回訪問したダナキル砂漠にも想像を絶するほど暑い気候の中、勤勉な労働者の集団に出会うことができました。
私達が宿泊するキャンプ場から、ダナキル砂漠の中を4WDで走ること30分。広大な面積の塩湖で、しゃがみながら作業に没頭する集団がありました。彼らは屋根もない炎天下の中、干上がった塩を採掘しているのです。
40センチ×30センチ四方に綺麗に塩を形どっていきます。重さは1個当たり約7キロ!採掘された塩の塊を、ラクダには30個(約210kg)、ロバには15個(約105kg)乗せて、運んでいきます。驚くべきことに、この均等に形どられた塩の塊は物差しで測定されているわけではなく、労働者の熟練の技で40センチ×30センチ四方のブロックが削られてできているのです。
彼らは額に汗をかきながら、懸命に塩のブロックをひたすら削って作っていきます。このような自然環境の中で、過酷な労働に取り組むエチオピアの人々の横顔に、彼らの国民性を感じずにはいられませんでした。
翌日朝5時30分ごろ、私達は日の昇る前の暗闇の中、宿泊していたキャンプから5分のところにあるラクダのキャラバンが休息をとるエリアに向かいました。そこでは何百ものラクダとロバの群れが、日の出まで体を休めていました。この時間帯は日中の気候が嘘のように、日の出前は乾燥した心地よい風が吹いています。
大半の彼らは、ここから57kmはなれたベル・ハアレの村から、塩の採掘をするために旅をしてきたキャラバン達。一晩ここで休息をとってから、翌日の日の出と共に出発し、昨日訪問した塩湖まで向かい、作業を始めるのです。
日の出は6時50分ごろ。午前10時ごろに塩湖に到着し、夕方4時ごろまで作業を続けます。夕刻になると塩を積んだキャラバンが、列をなして再びベル・ハアレの村まで移動していきます。彼らの収入は1日に200~300ブル。日本円にすると約1000円~1500円ほどです。
私たちが訪問すると、暗闇の中、ラクダたちは眠そうに鳴き声をあげていました。ロバは立ちながら眠るそうで、数匹ずつ寄り添いながらじっとしています。6時10分を過ぎると、随分明るくなってきました。
この頃から紐で数珠繋ぎにされたいくつかのキャラバンは、立ち上がって出発の支度を始めました。動きたくないのか、数匹のラクダは鳴き声をあげながら重い腰を上げて連なる列に従って移動していきます。なんとなく、月曜日の自分と姿を重ねました。らくだは立ち上がると、想像よりも背が高いことに驚きます。
全てのキャラバンが動き始めたのは、丁度6時50分ごろ。私達は、一日の始まりを告げる太陽を横目に、黙々と出勤していくラクダのキャラバンを眺めながら勤勉な彼らの背中を見送りました。(堤)
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