2018年3月 1日 (木)

早口言葉のような世界遺産、アルベロベッロのトゥルッリを訪れました。(イタリア)

先日、「南イタリア・シチリア紀行 10日間」の添乗から帰国しました。

今回のツアーではまずシチリア島へ。シチリア島で印象的なのはお土産物としてよく見かけるトリナクリア。ギリシャ語で「三本足」を意味する名の通り、顔から3本の足が生えた奇妙なマスコットで、それぞれの膝がシチリアの3つの岬(メッシーナ、マルサーラ、パキーノ)を表しています。

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<トリナクリア>

最初は不思議そうに見ていたお客様も、シチリア島を出る頃にはトリナクリアを爆買い!きもかわ?な見た目が癖になってしまう不思議な魅力のあるマスコットでした。

その後、ツアーはトリナクリアの表す岬の1つ、メッシーナからイタリア本土へ入り、イタリア東部、プーリア州の街アルベロベッロへ。アルベロベッロとは美しい(ベッロ)森(アルベロ)の意。街の中には、アルベロベッロの代名詞とも言えるとんがり屋根がつんつんと立ち並びます。
アルベロベッロは、伝統的な家屋造りを世界遺産とするという共通点で、日本の白川郷と姉妹都市の提携を結んでいます。では、どんな家屋なのか。トゥルッロと呼ばれるとんがり屋根(複数形でトゥルッリ)は、石灰岩を円錐形に積み上げ、てっぺんには帽子のように白く塗られた装飾(ピナクル)が被せられて造られています。一番の特徴は接着剤が使われていないという点。かつて、住居税の徴収に来た役人に屋根を外して見せて、これは徴収に値する家ではないと言い張り、税から逃れていたと言われています。積み上げられた屋根には、かつては魔除けの為に、現在は家紋として各々の家が独自のマークを白い塗料で描いています。

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<アルベロベッロのトゥルッリ>

今回はトゥルッリでお土産屋さんを開いているお姉さんが、2階の庭にあげてくれました。2階からは無数に連なるとんがり屋根を目線の高さで楽しむことができました。

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<目線の高さのトゥルッリ>

よく見ると、屋根により石の色合いや薄さが違います。これは雨風にさらされ生えた苔が石を腐食し、もともとはクリーム色の石が段々と黒ずんでいくためです。屋根は約100年に一度交換されるそうで、屋根の色で最近修理されたんだな、そろそろ交換時期だなと推測することができます。

現地ガイドのミモさんのひいおばあさんの家も覗かせてもらいました。住居は一つのとんがり屋根につき一つの部屋。部屋と部屋の間の壁は無く、いくつかの屋根がまとまって1つの家になっています。リビングの下は井戸。海や川の無い街なので、雨水や雪解け水を水路から家の中へと引いているのです。ミモさんがいうには、去年の夏は水不足の為、生まれて初めて断水になったそう。

つんつんと並ぶトゥルッリ達を眺め、家畜と一つ屋根の下で暮らしていた当時の暮らしぶりに思いを馳せながら、アルベロベッロを後にしました。(松永美)

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