アラブ・ノルマン様式の最高傑作・モンレアーレ大聖堂(シチリア)
先日「アマルフィに連泊!南イタリア・シチリアの史跡と景勝地を巡る旅」より帰国致しました。ハイシーズン前の南イタリア・シチリアは、どの町も静かな時間が流れ、普段なら観光客であふれかえるような観光地も比較的すいており、のびのび観光することができました。
<モンレアーレ大聖堂のパントクラトール>
今回一番印象に残ったのは、シチリア島、モンレアーレ。人口25,000人程の小さな村には、12世紀に建立された壮麗な大聖堂があります。外観は大変シンプルな作りのように見えるのですが、聖堂内に一歩足を踏み入れるとはっと息をのむことになります。目もくらむほど鮮やかなビザンチン式の黄金モザイクが壁面全体に施され、床もモザイクで模様が描かれています。何よりも神々しい光を放つのが内陣に描かれた「パントクラトール(全能のキリスト)」です。右手では人々に祝福を与え、左手に持つ福音書には「私は世の光である。私に従うものは決して迷わない。」と書かれています。聖堂内だけでなく、付属の修道院の回廊も独特です。アラブ風の回廊で、2本1組の柱はやはりモザイクで彩られています。キリスト教の宗教建築ではなく、宮殿のような雰囲気さえあります。
<モンレアーレ大聖堂、回廊>
シチリア島では、ギリシャ・ローマ時代、ビザンチン帝国、イスラームと様々な文化が栄えてきましたが、それらをまとめ上げたのがノルマン王朝。1130年にルッジェーロ2世によりシチリアと南イタリアにまたがるシチリア王国が建国され、他文化に寛容な政策をとり、ノルマン王朝ではノルマン・ギリシア・ビザンツ・イスラームの文化を融合させた独自の文化が花開きました。その集大成ともいえるのがモンレアーレ大聖堂です。
味わい深いロマネスク式や、荘厳なゴシック式など、教会建築にはそれぞれの良さがありますが、それらとは一味違う魅力を持つシチリアのアラブ・ノルマン様式。その魅力をたっぷり堪能できました。(市川)
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