ガイアナ三国ってどんな国でしょう?(ガイアナ、スリナム、仏領ギアナ)
先日、「南米最後の秘境、ガイアナ三国を巡る」の旅から戻りました。
・・・ガイアナ三国ってどこでしょう?どんなところでしょう?
<ガイアナ三国の位置を確認(GoogleMAPより)>
まずは位置から。南米大陸の地図を見てみましょう。中央にどーんと鎮座するブラジル、その上の方に小さな国が3つ並んでいます。そこが今回訪れたガイアナ三国です。大航海時代に大陸の多くがスペインのものとなり、現在のブラジルである広大な領土はポルトガルのものとなった中、英国・オランダ・フランスがちょびっとだけ手中に収めたのがガイアナ(ギアナ)と呼ばれる場所で、現在はガイアナ・スリナム・仏領ギアナとなっています。ガイアナとスリナムは独立済み、仏領ギアナはフランスの海外県、要するにフランスです。
三国とも国土の8割以上は熱帯雨林で、南部にはベネズエラから続くギアナ高地が広がります。生活圏は大西洋沿いの僅かな地域に集中しています。北緯5度とあって、日中はそれはそれは蒸し暑く、夜は熱帯夜です。
<スリナムとガイアナの国境コーレンティン川をフェリーで越える>
ガイアナとスリナム、スリナムと仏領ギアナ、それぞれの国境は「川」。陸路国境超え…というか、船でのどかに川渡りをして国境超えをします。どちらも橋はありません。また、公式な国境はどちらも1か所のみです。経済的な繋がりは旧宗主国やアメリカが大きく、横の繋がりはあまりないそう。その為、お互いの国への物資輸送もなく、このような国境でも不都合はないそうです。
南米大陸に存在しながら、カリブ諸国との繋がりが深いのも特筆すべきでしょう。ガイアナ・スリナムは「カリブ共同体(カリコム)」に加盟し、その事務局はガイアナの首都ジョージタウンにあるというから驚きです。空港や国境の入国・出国審査場では、「カリコムの住民か、それ以外か」で列が分けられていて、南米の住民かどうか?そんなの関係ないね!という感じ。それは植民地時代、宗主国主導のサトウキビ・タバコ・カカオのプランテーション産業が行われ、労働力としてアフリカから多くの奴隷が連れてこられた歴史の中で、先住民と移民が交じり合って新たな文化が紡がれてきたことが共通項としてあるようです。
英語がもっとも通じるというのも南米っぽくないところ。ガイアナにおいては公用語です。スリナムはオランダ語圏ですが、英語もよく通じます。仏領ギアナは当然フランス語で、いずれの国も、南米と言えばスペイン語でしょ!とはいきません。
食事は南米ともカリブとも異なり、アジアンテイストが至る所に。移民としてやってきた中国、インドネシアの人々がもたらした食文化が根づいていて、焼きそばや炒飯のような料理が良く出ました。おかずの味付けも何となく醤油風味だったりして食べやすかったです。この辺りではエビ漁が盛んで輸出産業のひとつだそうですが、それを食す機会にも恵まれました。なかなか大ぶりで、プリプリして美味しかったです。
<ギアナ高地を流れ落ちるカイエチュールの滝(ガイアナ)>
そんな三国の旅の見どころはそれぞれ。仏領ギアナには、映画『パピヨン』の舞台として知られる流刑地のサリュー諸島や、欧州が共同で利用しているギアナ宇宙センターがあり、スリナムには、オランダ時代の街並みが世界遺産として残るパラマリボの町があります。旅のハイライトは、ガイアナのギアナ高地にあるカイエチュールの滝。ギアナ高地の滝と言えばエンジェルフォールが有名ですが、カイエチュールの滝は知られざる滝とでも言いましょうか…。首都ジョージタウンからセスナで約1時間飛ぶと、周囲にテプイが見え始め、熱帯雨林の中に突如として滝が現れます。落差226m、幅100mの滝をセスナから眺めたあとは、地上へ下り、展望台から迫力ある眺めを楽しめます。
南米大陸で見落とされがちなガイアナ三国…派手さはないかもしれませんが、目からウロコなことが色々見つかる場所です。(江間)
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