2017年1月 6日 (金)

王道の海路か?ラクラク空路か?南極旅行はアプローチも旅の一部

小型船で旅する南極はたっぷり上陸を楽しめます

先日、南極への旅から帰国しました。
南極は“地球最後の秘境”とも言われます。解釈は色々なのでしょうが、まずその物理的な位置や、寒冷で乾燥した過酷な環境から見て"秘境"という感じがします。さらに、人類が本格的に探索を開始してから約100年しか経たないこと、大陸を覆う分厚い氷と雪の中には未知なる過去がたくさん詰まっているらしいこと、人類定住の歴史はないとされる一方で独自の生態系が形成されてきたことなども秘境と呼ぶに値するのではないでしょうか。
その南極へ「行ってくるよ」というと、「何を見に行くの?」と言われることがあります・・・。氷と雪しかないと思われがちだからでしょうか。
しかし、この過酷な環境で、人間を知らずに生活する動物がたくさんいます。彼らが素のままで生きる様子をちょっと覗かせてもらうことが南極での楽しみ!クジラ、シャチ、アザラシ、オットセイ、数々の海鳥などなど。なかでもペンギンの愛らしさはダントツです。
今回の旅では、ジェンツーペンギン、アデリーペンギン、ヒゲペンギンの3種がメイン。ペンギンは18種いるそうですが、代表格ともいえる3種です。それぞれ特徴があって、すぐ見分けられるようになります。
今回訪問した12月上旬は、ちょうど卵を温めている時期。腹ばいになってじっと卵を温めているペンギン、その横で巣作りに必要な小石をエッサホイサと運ぶパートナー、と思いきや要領のいいペンギンはお隣さんの巣からこそっと小石を拝借して自分の巣に移していたり。そんな中、天敵のオオトウゾクカモメが卵を狙いにくると一斉に声を上げて追い払っています。波打ち際では「海に入ろうかな、どうしようかな」と何羽ものペンギンがウロウロ。安全かどうかよく分からない海に一番に入るのは嫌らしく、お互いに様子を窺っているさまは人間にそっくりです。

ペンギン・ハイウェイをゆくジェンツーペンギンたち

巣がある場所から海までの道のりには「ペンギン・ハイウェイ」。人間も雪の中を歩くときは前の人が歩いた跡を辿って歩きやすく道を作りますが、ペンギンも一緒。そして、正面から別のペンギンが来ると、ちゃんと止まって、うまくすれ違うのです。もちろん、ここではペンギンが優先ですから、我々が対面してしまった時にはペンギンに進路を譲ります。「5メートル以内には近づかないで」と言われるのですが、こちらが気にしていてもペンギンの方からお構いなしにやってきます。それほどまでに、南極のペンギンたちは人間を恐れとして認識していないわけです。この環境を守る為にも、私たちは「お邪魔する」という気持ちで毎日を過ごしました。

チリのプンタアレナスから飛行機2時間で南極へ!

寒さを忘れるほど楽しくて、時間をも忘れるほど夢中になる南極。とはいえ、南極はなかなかに遠い!最大の難所はドレーク海峡。船で越える場合は約2日間かかり、さらに荒れることで有名。南極への旅を考え始めると必ずぶつかる心配事でしょう。
ところが今回は、チリ・プンタアレナスからの飛行機に乗り、たった2時間で、海峡をひょいっと超えてしまう新たなアプローチで南極へ到着。拍子抜けしてしまうほど、あっさりと南極へ辿り着いたのです。
その時に思ったのは、
「ドレーク海峡の荒波を乗り越えてこそ、南極へ着た達成感があるのでは?」
「ドレーク海峡を船で越えることも、南極への旅の醍醐味ではないか?」
「そもそも、こんなにあっさり辿りついてしまってよいものか・・・」などなど。
一方で、南極が少し近くなり、船が苦手でも行ける道が開かれていることは嬉しくもありました。
「海から行くか?空から行くか?」私自身にとってはなかなかに難しい問いかけになりそうです。(江間)

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2015年9月15日 (火)

スピッツベルゲン島クルーズで野生のホッキョクグマに出会う!

ユーラシア旅行社で行くスピッツベルゲン島クルーズ、お昼寝中のホッキョクグマ

先日、「北極圏スピッツベルゲン島への船旅」より帰国しました。出発は7月中旬、すでに猛暑厳しかった日本を抜け出し、30℃も気温が低い北への旅です。
スピッツベルゲン島はノルウェーに属していますが、本土よりはるか北、北極圏の入り口北緯66度33分を超えた北緯77度~80度に位置し、周囲の島と共にスヴァールバル諸島を形成しています。島の中心地、ロングイヤービーエンから極地の海を往く探検船に乗って出発です。


今回の旅で一番楽しみにしていたのは、ホッキョクグマとの出会いです。地上最大の肉食動物とされるホッキョクグマが自然に生きる姿はいったいどのようなものなのか、初めての体験を目前にして、会話はついついホッキョクグマのことになりがち。楽しみ半分、出てきてくれるかという不安半分、複雑な気持ちで旅が始まりました。

出港の翌朝、私達の心配をよそに早速ホッキョクグマが登場!このクルーズでは何をしていてもホッキョクグマが優先。実際、朝食中に放送が入ったので、食事もそこそこに皆、甲板へ飛び出します。部屋に戻る時間がもったいないので、カメラや双眼鏡は常に携帯です。初めての出会いとなったこの時は少し距離があり、双眼鏡がなければ表情を捉えにくかったのですが、今後への期待を大いに膨らませてくれる出会いでした。

その日の夕方。船内ではウェルカムパーティー、そして夕食が始まろうとしていた頃、またまた登場!今度は近くへ見に行くことになり、急いで仕度開始。極地に精通した経験豊富なスタッフがテキパキ準備するので、突然のハプニングでも機動力抜群!あっという間に準備完了、ゾディアックと呼ばれる極地用のゴムボートに乗って出発です。

ユーラシア旅行社で行くスピッツベルゲン島クルーズ、アザラシを狙うホッキョクグマの親子

ホッキョクグマは「動くものは何でも食べられる」と思う為、上陸はできませんが、ボートでゆっくり岸に近づき20~30m程の距離で見学できたので、肉眼で十分その表情を捉えられました。出会ったのは親子グマ。母グマが大好物のアザラシを狙って対峙しているところでした。子グマはその後ろで遊んでいます。ヒグマと違って顔が細長いこと、目がクリンとしていて愛嬌を感じられること、足が太いこと、意外と歩く速度が速いこと等々、新しい発見がいっぱいでした。

私達の幸運はその後も続きました。翌朝、別の場所でペアのホッキョクグマに出会い、2時間(!)たっぷり見学。腹ばいで大の字になっている寝姿や足の裏の肉球、そして見つめあう2頭…。何枚写真を撮っても、どれだけその場に居ても、飽きることはありませんでした。

ユーラシア旅行社で行くスピッツベルゲン島クルーズ、氷上を歩くホッキョクグマ

そして旅の後半には、北緯80度を超えたところで“氷の上を歩くホッキョクグマ”にも遭遇!北極圏であるからには、ぜひともこの光景を見たかった!気温4度もなんのその、寒さを吹き飛ばす興奮で甲板が満たされたことは言うまでもありません。アザラシを探していたのでしょうか、しばらくして海へドボンッ。すいすい~っと泳いでいく様に、巨体なわりに泳ぎが得意な一面を見ることができました。

ホッキョクグマは狩りをして食料を得ますが、10回に1回ほどの成功率だそうです。やっとありつけた食料を食べた後は、体力温存の為によく休みます。一方、動物園で暮らす彼らは食べ物の為に動く必要がありません。ですが休憩する習性は残っていますので、動物園に会いに行っても寝転がってじっとしていることが多いのです。野性味あふれる自然の生き様を見ることができた今回の旅は、素晴らしい経験でした。

ユーラシア旅行社で行くスピッツベルゲン島クルーズ、お土産に購入したホッキョクグマのUSB

今回の旅でホッキョクグマにすっかり魅了され、船内で売られていたぬいぐるみを買いたかったのですが重量の都合で泣く泣く断念…。代わりに、船でしか売られていない“ホッキョクグマのUSB”を購入。彼らとの出会いと共に、大切な思い出の一品です。(江間)

ユーラシア旅行社で行く船の旅(クルーズツアー)はこちら

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2014年3月14日 (金)

優雅なクルーズで世界の果ての南極へ(ユーラシア旅行社で行く南極クルーズ)

先日、ユーラシア旅行社の「世界の果ての絶景を見る!南極クルーズとフォークランド諸島」のツアーより帰国しました。今回は、大型客船でのんびりとクルーズライフを楽しみながら、地球最後の秘境ともいわれる南極の氷の世界と辺境の島フォークランドを訪ねるのが目的。果たして南極はどんな世界なのか、色々と想像しながら南米アルゼンチンのブエノスアイレスを出港することとなりました。


航海5日目、世界最南端の都市と言われるウシュアイアを出港した客船は一路ドレーク海峡へ。魔の海峡と言われ、荒れる海に不安を感じるところですが、今回は9万トンの客船でしたので揺れ知らず。ちょっと拍子抜けしてしまい、「土産話にするにはもう少し揺れてもらわないと困るのにねぇ」などと思ってしまうほど。船内でのんびりしたり、催し物をのぞいたりしながらの南極への船旅は、なんとも快適でした。
航海7日目、いよいよ船の前方に南極の氷が見えてくると、船内は慌ただしくなり、乗客もそわそわうろうろ。ラウンジの先頭の場所を確保し、迫りくる氷と島を眺める時間はあっという間に過ぎていきます。そして船は南極半島の美しい港・パラダイス湾へ。船長の気転で舳先のヘリポートが解放され、眼前に迫る南極半島の氷と雪山を思う存分楽しむことができました。

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2013年4月 2日 (火)

【共通テーマデー】私の好きなマイナスイオンの場所(南極)

Cimg5674 例年よりも早く桜が咲いたため、お花見予定を繰り上げた方も多かったのではないでしょうか。
かく言う私も、先週の金曜日、会社帰りに千鳥が淵まで夜桜を見に行きました。葉桜もありましたが、お堀の美しさは当然ながら、ふと見上げると夜空にライトアップされたがまるで雪のように。

なんだか癒されました。

というわけで、本日の共通テーマは、マイナスイオンを感じる場所。
雪のような桜を見ながら私が思い出したのは、雪原と真っ青な海、ちょっと硬い感じの空気。

そう、南極です。

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2012年2月29日 (水)

南極への船旅 ~南極大陸で出会ったアイドル~

Sp2090378 前日から引き続き、先日添乗で訪れた南極のツアーに関してご紹介させて頂いております。
そして昨日は、南極を訪れるには避けて通れない「ドレーク海峡」を取り上げました。しかしながら、そんな荒波ドレーク海峡ではありますが、一筋縄には到着できないからこそ、南極大陸に上陸できたときの感動が増すのかもしれません。心配するに足らない、ドレーク海峡でした。

さて、今回はそんな海峡を乗り越えて南極半島に到着した後に出会った可愛らしいアイドルたちのご紹介をしたいと思います。
水族館でも人だかりがいつもできている愛らしい鳥、ペンギンです。

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2012年2月28日 (火)

南極への船旅 ~アドベンチャーは荒波から始まる~

Sp2070181 先日クリッパーアドベンチャラー号で行く「南極の船旅14日間」より帰国致しました。
今年は木村拓哉さん主演のドラマ「南極大陸」で南極が話題になりましたが、もちろん越冬まではしないものの、夏のベストシーズンに訪れる南米の端ウシュアイアからクルーズ船にておよそ10日間で南極半島に上陸して参りました。
クルーズの詳しい内容や南極の様子は、同じく昨年の南極の夏に訪れたユーラシア旅行社の添乗員ブログ「快適な最後の秘境への旅!南極への船旅 ~前編~~後編~」をご覧頂ければと思います。今回は、南極と聞いて知る人ぞ知る荒波「ドレーク海峡」に関しての感想や対処方法をご紹介したいと思います。

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2010年3月 3日 (水)

ペンギン達との遭遇!南極への船旅 ~後編~

Zodiac

昨日に引き続き、クリッパー・アドベンチャー号で航く地球最後の秘境、南極への船旅の続編です。
ドレーク海峡の大揺れを乗り越えついにやってきました南極大陸。そこは、雪に覆われた大地と険しい山々に囲まれた壮大な景色が360℃広がる地球最後の秘境です。

今回皆様がドキドキの南極初上陸を果たしたのはパーマー群島の北にある島の南側のハーバー、ミケルセン・ハーバーです。ここは1901~1904年のスウェーデンの南極探検隊によって発見されたところで、ジェンツーペンギンの営巣地にもなっています。
晴天にも恵まれて南極上陸にはもってこいのさわやかな1日。ゾディアックボートに10名様ずつ乗り込み、心地よい風をきって進んで行きます。
ミケルセン・ハーバーに到着した私達の目の前には数え切れないほどのジェンツーペンギンがお出迎え。
数にすると数百羽といったところでしょうか。カモメにも似た大きな鳴き声を上げて歩き回っていました。
大人のペンギンに混じって足元がおぼつかない様子なのは生まれて数ヶ月のフワフワの毛をまとった小さいペンギン。
そのあまりの可愛さに皆さんカメラで写真を取る事に夢中になってしまいますが、そこはぐっと我慢して5m離れて観察です。
南極観光にはこの先も観光を続けていくための大事なルールとして動物には触れないという決まりがあります。
ペンギンにこちらから近づく時には5m手前まで!アザラシは15mというのがマナーです。
もちろん、向こうから近づいてきてしまうこともあるので、まれに思いのほか接近してしまうこともありますが・・・。

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2010年3月 2日 (火)

快適な最後の秘境への旅!南極への船旅 ~前編~

Ship

先日、クリッパー・アドベンチャー号で航く地球最後の秘境、南極への船旅より帰国しました。
今回は耐氷船クリッパー・アドベンチャー号をチャーターした特別企画のツアー。
日本人だけの船旅ということもあり、船内放送や船内でのイベント、お食事など、通常の南極への船旅とは大きく違った日本人のために考えられたとても快適なものでした。
船内では南極に関する知識と経験豊富なクォークエクスペディション社のスタッフが南極の自然や出会うペンギン、海鳥などについての解説や南極観光についての守らなくてはならないマナーなどを教えてくれるブリーフィングやリキャップも行われますが、今回は全て同時通訳つき!
日本人講師が専門用語なども交えて詳しく日本語に訳してくれるので、ストレスなく聞くことができ、また、質問も積極的にできると皆さんも楽しんでいらっしゃいました。
その他にも日本人講師の方による南極講座や、毎晩ラウンジで行われたビデオ上映会なども勿論日本語。
南極に向かう船の中ということを忘れてしまうほどだったのではないでしょうか。

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2009年8月 5日 (水)

氷山と生活する町、グリーンランド・イルリサットへ!

03_2 先日、「アイスランド西部の大自然と氷山の町、グリーンランド・イルリサット12日間」から帰国しました。このツアーのハイライトは2004年世界遺産に登録された北極までわずか250kmの地点にある「イルリサット」を訪れることです。「イルリサット」はイヌイットの言葉で「氷山」を意味しますが、その名の通り、高層ビルに匹敵する大きさの無数の氷河が海に浮かぶ光景を町から眺め、想像を絶する迫力ある風景を堪能することが出来るのが特徴です。また、町の近くに位置する最後の氷河期に作られた氷河とフィヨルドからなるイルリサット氷河は特に有名で、標高1200mから海まで続く広大な氷河であり、世界最速毎年7km(一日19m)で流れ、氷のまま海へ注ぐ様を上空から見ることが出来ます。イルリサットの夏は短く、5月下旬から8月上旬までが太陽が沈まないベストシーズンとなります。その反対に11月から1月は全く太陽が昇らない過酷な場所に位置しています。今年、アイスランド航空がアイスランドからイルリサットまで直行便を就航!非常に訪れるのが困難であったイルリサットへ比較的容易にアクセスが可能となったため、このツアーが実現しました!

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2009年1月 6日 (火)

碧い絶景(南極クルーズ・その②)

昨日、南極のペンギン達のことを書きました。今日は物言わぬ南極の景色をご案内したいと思います。南極といえばペンギン。というくらい、ペンギンへの熱い想いが先走ってしまった添乗員でしたが、南極半島一、美しいといわれる景色を晴天で見ることができたとき、視力があってよかったなぁと思いました。
Photoそこはルメール海峡という狭い海峡なのですが、朝7時、デッキに出てみると、そこにはカメラやビデオを手に美しい景色を少しでも手元に残そうとする熱い想いの人々であふれていました。こういうとき、体があまり大きくないと、前方にひょいひょいと行けてしまいまして、私もちゃっかり先端から、美しいルメール海峡の景色を堪能致しました。

今回乗船したフラム号は、家具の国ノルウェーの船です。Photo_3そのため、探検船であるにもかかわらず、とてもお洒落でした。私はデッキ5から外へ出て、防寒しながら写真を撮っていたわけですが、寒いのが苦手な方にはデッキ7の展望室から同じ景色をご覧頂けます。しかも、クッションのいい一人掛けソファーで!これは私も夜中にこっそり寝そべりましたが、ベッドみたいに心地よかったです。

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