パナマ運河~大陸を切り裂き大海を繋いだ運河~from ユーラシアニュース特集より
1月号のユーラシアニュースはお手元に届きましたか?
今回の特集はとってもとっても私にはうれしいものです。なぜって?
テーマが「出航」だからです。
まさに船!ですよ。クルーズですよ。ユーラシアも船旅を扱っているのね~と多くのお客様に再認識していただけたらうれしいです。
というわけで、その特集に記載した記事ですが、せっかくなのでこちらにも入れてみました。特集記事は私が書いたものですが、まったく同じではいけませんので少し手が入っております。
アメリカ大陸は昔一つだったのをご存知ですか?
19-20世紀初頭、世界の移動は大型船が主流だった頃、ヨーロッパからアジアへ向かうには南北アメリカ大陸をぐるりと回らなければなりませんでした。
このため、アジアはヨーロッパにとってとても遠いところでした。
地中海からスエズ運河を通過していくコースでインドへ行くのはともかく、中国などへはさらにインドを回り込まねばならず、ましてや日本なんて…とっても遠かったのです。
それで、アメリカ大陸から行くコースを取ってみましたが、回り込むのは大変な上、ドレイク海峡はすさまじい荒れ具合になったりするものですから、船乗りにとっては大変でした。
そんなときに、南北アメリカ大陸をつなぐ細いラインに運河を作ったら…という当時としては夢のようなすばらしい企画が持ち上がったわけです。そんなこんなでパナマ運河の建設が始まりました。
19世紀末にスエズ運河設計で有名なレセップスがフランス主導の下の運河建設を断念し、いろいろな経緯のなかでコロンビアからパナマ共和国が独立し、結局アメリカ主導で造られたパナマ運河は、船旅の移動日数をあっという間に短縮させました。
この工事には、明治時代であったにもかかわらず、日本人技師が1人参加していました。
さらに今でも船を牽引する電気機関車は日本の東洋電機製造製だといいますから、パナマ運河は日本と割りと深い関わりがあると思いませんか?
さて、そのパナマ運河には3つの閘門があります。
これは大西洋と太平洋の海の表面の高さが異なるため、大陸を横断中にそれを調整しようという、すごいことを行っているわけでして、この一日に及ぶ通過の行程こそが、パナマ運河クルーズ最大の見せ場なのです。
といいますか、皆様、海の高さが違うってご存知でした?
私はパナマ運河のことを調べるまで、実は知りませんでした。どうしてそんなことがわかったんでしょうか。
色々調べてみましたが、ここでさらっと申し上げるほどには理解が出来ませんでした。
海流とか、潮の満ち引きだけではなく、海底の地形と重力だか磁場だかも関わっているみたいです。(間違ってたらいけませんのでこの辺でストップ)
何はともあれ、年に1万隻近い客船が通過するというのですから、その人気っぷりは一目瞭然です。
そして一番興奮するのが、パナマックスと呼ばれる、船体が運河通過ぎりぎりの幅の大型客船の通過なのです。乗客の方はデッキにでて、自分達の客船がどんな風に通過していくのかじっくりと楽しむことが出来ます。
一日という行程なので、自室のバルコニー(付を選んだ場合)から見たり、デッキに出たりと、いろんなところで楽しめます。もちろん、大抵の人がカメラを持参していますが、もう何回も訪れている乗客はのんびりと、今回の行程を楽しんでいました。
運河の入り口のアメリカ大陸橋を抜けて、ミラフロレス閘門、ペドロ・ミゲル閘門を通過しました。この二つの閘門によって、高さの違う海の横断が可能なのです。閘門へ入ると、門が閉ざされ、勢いよく水が注がれます。船はゆっくりと上昇していきます。さながらエレベーターのように。デッキから見える景色がゆっくりと上昇し、やがて水が門を一杯にしてゆっくりと開きます。
観客からは大きな歓声が上がります。
最後のガトゥン閘門を抜けると、おお、大陸を横断した!という感動、充足感、で誰もが興奮した瞬間!と、同時にこれで終わったのかという寂寥感が胸に広がりました。しかしながら、目の前に広がる海を見ていると、再び高揚感が生まれてくるのです。
なぜなら同じに見えるのに昨日とは高さも名前も違う海にいるのだと、本当に実感できるからです。
恐らく100年前、ここを通過した人の感動は一入だったであろうと思います。
より多くの可能性を求めて、大陸を二つに分けた人々の大いなる夢とその偉業に思いを馳せながら次の目的地へ船は出港するのです。
パナマ運河通過を楽しめるツアーはこちらです↓
セレブリティ・インフィニティで行く
人類の叡智パナマ運河通過と南米5カ国周遊 19日間
注 この記事は弊社月刊誌の1月号特集「出航」で書いたものをやや編集したものです。
月刊誌は毎月テーマにそった特集記事があります。
ご希望の方はこちらをご覧ください。
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