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2011年8月24日 (水)

船で読むのにおススメの本

25周年記念25万円の船の旅ツアーが大好評です。

そして、毎年好評の南極クルーズも好評です。本日も説明会が無事に終わりました。

行くまでは、どんなに写真を見ても、先人達の記録日誌を読んでも、イメージがいまいちピンッと来ないかもしれないですが、せっかくのチャンスです。
地球の「どこの国でもない」ところへ遊びに行ってみてくださいね。

さて、それはともかく。皆様は読書は好きですか?
私は割りと好きでして、ホラー小説などは真夏の夜中に一気に読んでしまうこともあります。はっきり申し上げてクーラーなぞいらないくらい。そして怖くて汗びっしょりで、いいダイエットになります。

そのため、クルーズ船は読書は控え気味です。
なぜかですって?

それはもちろん、船内イベントに顔を出すのに毎日大忙しだからです。
終日航海なんだから、せっかくだし、のんびりソファで海を見ながら本を読みつつカフェでも…と思うときもあります。
ところが、ふと、船内新聞を見ると、楽しそうなイベントが分刻み。

本に夢中になって行きそびれたらたいへんです。

結局、本を読むことはあんまりないというよりも、普段よりも読まずに終わってしまうのです。
しかーし、そんな私でも、船内で読む本があります。

『旅のラゴス』新潮文庫 筒井康隆著。

ストーリーはラゴスが旅をするというもの。彼の旅の目的は後半に明らかになりますが、彼が出会う人々は、いまの我々と少し異なる「人間」です。
その人たちの日常に「旅」人の「ラゴス」が出会いと別れといろんなことを繰り返すのです。

船は、いろんな国や街へ行きます。一緒にいる船内の人たちは、言わば「運命共同体」といえます。
別に仲良くなるわけでなくとも、なんとなく顔を覚えて、挨拶をしたりします。
仲良くなったりもします。
これはクルー達との関係でもいえます。

こういう不思議な距離感は、実は通常の陸上ツアーではあんまり起こりえません。
なぜなら、ホテルを移動するからです。


ラゴスが旅の途中で出会う人々も一時的なラゴスの「運命共同体」になります。

Princess_cruiseホテルを移動する、新しいホテルで新しいサービス。これはこれでいいことです。

毎日、新鮮な気持ちが味わえます。
逆に言えば、ツアー行程中、一個くらい感じの悪いホテルであったとしても、のちのちのよい?土産話になったりもするものです。

船の生活は、そこにあるすばらしい設備をどう使いこなすか、クルーとの関係、そして毎日すれ違う見知らぬけれども見知ってしまった乗客との距離感が結構面白いもので、人や設備によってはその距離感が近づいたり、離れたりします。

そして、下船と同時にそれは消滅します。

乗船しているうちにこの距離感をうまく感じられると、仲良くなり、下船後も交流が続いたりするのです。
たとえしなくとも、船上で再びめぐり合うと、以前よりも近い距離感で付き合うことができるようになります。

ラゴスも、出会う人によって、保つ距離感が違います。
船上で出会う一期一会の人。どう付き合いたいか、ふと考えさせられたり、ヒントが出てたりします。(たぶん…まぁ私の勝手な解釈です)

そして、ひとつの章が短いので次の章を続けて読まなくても十分我慢出来るのです。

けれども、ラゴスのたびの目的が気になったり、不思議な人々と我々人類との関係が気になったりもするので、時間を見つけたら読みたくなってしまう面白さもあります。


短い時間だけ、のんびり?読書して、次の船内イベントへ!が、可能なこの本を、私は結構お気に入りです。

船に乗ったら一度くらいは、カフェ、海、読書を涼やかにしてみたいものです。船内生活ってに忙しいのね、もって行った本、一冊も開かなかったわ、という方へ。
よかったらお手にとって見てください。薄くて軽いですので持ち運びにとても便利です。



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