文明の利器
昨日かつて旅人(及び体力のない添乗員)の難所であった黄龍にロープウェイが開通した記事を書いたが、今日もかつての黄龍のような難所を一つを紹介したい。その場所は、大西さんが添乗しているイスラエルから南に下った現エジプト領の半島の中央部にある。即ち、シナイ山だ。
シナイ山は旧約聖書の中でモーゼが「十戒」を授かった場所として知られている。確かにここ一帯の山々は岩肌が露になった雄雄しい峰々が林立していて、神々しい雰囲気がある。シナイ山の海抜は、約2,280mだ。とは言っても0m地点から登る訳ではなく、海抜約1,600m地点にあるセント・カテリーナの町からスタートする。よって実際に登るのは約600mだ。シナイが最も美しいのはご来光の時である事と、日中は気温が上がって登山には適さないため、夜明け前にスタートして山頂で朝日を仰ぐのが一般的な観光法である。歩くのは自信がないという人は、途中までラクダを使う事もできる。私も出来ればラクダを使いたいクチだが、歩くお客様もいる中で添乗員がのうのうとキャラバン気分に浸る事はもちろんありえないから歩くのである。
その時によって差があるが、だいたい2~3時間で山頂に着く。最後に通称「心臓破りの階段」があるが、それまでは平坦なので、普通に歩ける方は問題なくこなせるでしょう。旧約聖書の中でも約束の地を目指すユダヤ人を代表してモーゼが単身山に登っていく姿が描かれているが、そんなモーゼ気分で登ればあっという間かもしれません。自分の足で歩くと、達成感も相まって山頂の朝日が一際輝くでしょう。
決して便利ではないが、頑張って一度は訪れたい場所、シナイ山。昨日の黄龍を始め、かつては不便な場所も観光客が増えるに従って便利になっていくのが世の流れだが、ここだけは、このままであって欲しいと切に願う。山頂へロープウェイを開通させたら、モーゼに申し訳ない・・・。
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