2007年11月15日 (木)

契約の箱(アーク)

Tymgat_2 聖櫃と呼ばれる聖具がある。それは特にユダヤ教の寺院シナゴーグにある聖なる物を収める箱としてよく用いられるが、固有名詞として用いた場合、それは現エジプトのシナイ山に登り、モーゼが授かった十戒を収めた「契約の箱(以後アーク)」を一般的に指す。

何故、突然こんな事を書くのかと言えば、実は今ユーラシア旅行社では年末のツアーが続々と締め切られて行くが、奇妙(?)な事に12/26~12/28の3日間にエチオピアのツアーが3日連続で催行されるのだ。エチオピアにはそのアークがあると言われている。インディ・ジョーンズの映画でも主題になっていたあのアークだ。

Sion_dome アークに関しては、ナショナルグラフィックの記事を是非一読下さい。バビロン説、聖杯と同じようなテンプル騎士団説、そして最後にエチオピア説について触れられている。シバの女王について触れられている下りがあるように、エチオピアは旧約聖書に登場するシバの国であったという説がある。シバの国に関しては、アラビア半島のイエメンであったという説も有力だ。エチオピア人のルーツ自体、アラビア半島南部(正にイエメン)から渡って来たセム系の民族とも言われているので、民族という部分ではどちら正解なのかもしれない。あまり知られていませんが、エチオピアには紀元前後から数百年に渡って栄えたアクスム王国という国があり、イスラム教が勃興するまでは、東アフリカやアラビア半島に広大な勢力を誇っていた。アークが収められていると言われているのもその時の首都アクスムだ。アクスムはエチオピア北部、アラビア半島からも遠くない場所に位置しており、独特のオベリスクを始め、アクスム王国の栄華を今日に伝える遺構が複数残されている。そして、アークが安置されていると言われているシオンの聖母大聖堂がある。さぞかし立派な宮殿かと思いきや、実際は小さなお堂である。残念ながら中には入れないが、小さなお堂を取り巻く空気は厳かで、ある種の感動を覚える。

Corregio 年末のツアーはもう難しいだろうが、毎年1月中旬ににティムカットというキリスト教に纏わるお祭り(トップの写真)が開かれる。これはエピファニアと呼ばれ東方三博士の来訪を祝うお祭りで、エチオピアでも最も盛大なお祭りと言っても過言ではない。ちなみに東方三博士の内一人は黒人として描かれる事が多い。右の写真はミラノのブレラ絵画館にあるコレッジョの東方三博士であるが、右側の黄色いターバンを巻いた王がそれである。過日の記事で紹介したデューラーの東方三博士でもそれが見て取れる。通常三博士の一人バルトハザーがそれに該当し、インド系の王とされる事が多いが、バルトハザーの象徴は乳香である。そしてその乳香はシバの女王の象徴でもある。いずれもエチオピアとの結びつきを見出せる。クリスマスでも復活祭でもなく、エピファニアに当たるティムカットが最大のお祭りとして祝われているのも偶然ではないかもしれない。失われたアークは、失われてなかったのかもしれない・・・。

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