2008年6月17日 (火)

ヴェルキンゲトリクス

Caesar_vercingetorix_s 本日フラッシュムービー「古代地中海世界」の第四編「ローマの台頭~共和政期」を公開した。古代ローマが急激に領土を広げていく時期で、歴史に残る英雄達も登場する。そんな中で今日取り上げたいのは、ムービー中ガリア戦争の項で一瞬だけ登場するヴェルキンゲトリクスだ。

以前に塩野七生氏の「ローマ人の物語」を読んだ時にその覚えにくい名前の人物がいた事を覚えていたが、当時はその人物がフランスの英雄に祭り上げられている事は全く知らなかった。ローマによる勝者の歴史の中ではさして重要性を持たないので、当然歴史の教科書にも普通は登場しない。しかし、ナポレオン程ではないにしろ、フランスでは英雄視されている人物だ。

現在のクレルモンフェランの近郊で生まれたヴェルキンゲトリクスは、若干二十歳にして、ガリア(当時のフランス)の各地に住むガリア人(ケルト人)の諸部族を統べ、ガリア戦争末期にゲリラ戦術でカエサルを苦戦させた。最後にはアレシアの戦いで敗北を喫し、カエサルに降伏して、後にローマで処刑されるのだが、その生き様は映画、漫画や小説でも描かれるほどの人気ぶりだ。強者に屈せず、草の根でも抵抗運動を続ける姿勢はどこか二度の世界大戦におけるフランスのあり方にも結びつく。一般的に政治的な抵抗の事を「レジスタンス」というフランス語で呼ぶようになったのもこの事を象徴している風に思う。日本では伝統的に大勢が決した後は、潔く責任を取る(かつての切腹)のが美徳という側面もあり、こうした面でも国民性の違いなのだろう。

・・・と何やら今日はいつになく考え込んでしまう内容になったが、何はともあれ、是非フラッシュムービーをご覧になってみて下さい。そして機会があれば、あまり表には現れない敗者の歴史にも触れてみてはどうか。勝者の歴史以上ものが眠っている事も少なくない・・・。

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